独立系ITコンサルティング・調査会社である株式会社アイ・ティ・アール(所在地:東京都新宿区、代表取締役:三浦 元裕、以下「ITR」)は、国内の対話型AIエンジン/デジタルヒューマン市場規模推移および予測を発表いたします。
対話型AIエンジン/デジタルヒューマン市場の2024年度の売上金額は12億9,000万円、前年度比46.9%増と大幅な伸びを記録しました。2025年度も同45.7%増と引き続き高い伸びを予測しています。市場規模はまだ小さいものの、近年のテクノロジの進化や企業での導入事例の増加により、市場認知度および導入機運は徐々に高まっています。特に、人間に近い顧客対応を自動で実現できることから、新たなサービスの創出や接客業務の効率化などを目的に導入が進み、今後もさらなる市場拡大が見込まれます。こうした動向を背景に、同市場のCAGR(2024~2029年度)は33.6%、2029年度には55億円に達すると予測しています。
※本調査における対話型AIエンジン/デジタルヒューマンは、音声やチャットなど多様な形式での問い合わせに対し、音声認識や音声合成機能、自然言語解析技術を活用し、音声などによる対話形式の回答を実現する製品・サービスを指します。LLM(大規模言語モデル)の基盤サービスは、本調査では対象外としています。

ITRのプリンシパル・アナリストである舘野 真人は、「LLMの統合やノーコード開発機能の充実などにより、対話型AIエンジン/デジタルヒューマンは、とりわけコンタクトセンターや実店舗での顧客体験を向上させる有力な手段として注目されています。しかし現時点はまだ普及の初期段階にあり、日本語特有の文法や言い回しへの対応、ハルシネーションやバイアスの抑止、AIによる自動対応から有人対応への円滑なハンドオーバーの実現など、克服すべき課題も存在します。企業においては、単なる自動化・省人化のためのツールではなく、自社のアイデンティティを体現する戦略的なソリューションとして、中長期的な視点で取り組むことが求められます」とコメントしています。
調査概要
今回の発表は、ITRが発行する市場調査レポート『ITR Market View:画像・音声認識市場2025』に詳細を掲載しています。同レポートには、画像認識、OCR/IDP(Intelligent Document Processing)、音声認識、音声合成、対話型AIエンジン/デジタルヒューマンの全5市場を対象に、国内49ベンダーへの調査に基づいた2023~2024年度売上げ実績および2029年度までの売上げ予測を掲載しています。