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ITR Review

コンテンツ番号:
R-220043
発刊日:
2020年4月1日

RPAの先にあるもの

手作業の自動化からその先の高度化へ

著者名:
浅利 浩一
RPAの先にあるもののロゴ画像

RPA(Robotic Process Automation)ツールの導入が進むにつれ、多くの企業がさまざまな取り組みや成功・失敗体験を蓄積させてきている。しかし、今後RPAでどのような方向性を目指すべきなのか、どう活用していくべきかについては議論の余地を残している。企業は、自社におけるエンタープライズシステムの強化・刷新の検討と合わせて、手作業の自動化の先にRPAをどう活用していくかを検討すべきである。

急成長する国内RPA市場と企業の状況

RPAツールは、画面認識技術によるスクレイピングや繰り返し処理を記録するレコーダーを組み合わせることにより、ユーザー・インタフェース層の手作業や反復作業を低コストで自動化できることで浸透してきた(ITR Insight 2018年春号「RPAがもたらす業務自動化のインパクト」 #I-318012)。基本的には、Microsoft社のオフィスツールで従来から利用されてきたマクロの延長線であるが、ディスプレイ上に表示されるシステムやデータを画像から直接読み取って記録・操作できることが、ブレイクスルーであった。こうした特徴から、サイロ化したシステム間の連携やデータの二重入力といった業務システムのすき間に何らかの悩みを抱える企業や、そもそもシステム化されていない空白部分を多く残す企業からも注目を集めた。

企業における働き方や労働力不足を取り巻く問題は、今後さらに厳しさを増していくことが確実視されていることもあり、国内のRPA市場は自動化に対する即効的な効果や、「既存システムを修正・改変することなく導入が可能」といった期待から急成長している。

RPAの市場規模は、システム間連携や業務プロセスの最適化を支援するアプリケーション層のツールとして以前から存在しているBPM(Business Process Management)、BRMS(Business Rule Management System)、そしてワークフローの市場規模を短期間で大きく上回っている。ITRの調査では、2018年度の売上金額ベースの実績で、国内のBPM市場は29億円、BRMS市場は16億円、ワークフロー市場は55億円であったのに対し、RPA市場は112億円であった(出典:「ITR Market View:RPA/OCR/BPM市場2019」)。すなわち、RPAの市場規模はこれら3市場を合算した規模よりも大きく、ITRでは今後の成長率も高いと予想している。

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