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ITR Review

コンテンツ番号:
R-218052
発刊日:
2018年5月1日

ハイブリッドクラウドの価値と実現可能性(前編)

プライベートクラウドと仮想統合サーバの違い

著者名:
甲元 宏明
ハイブリッドクラウドの価値と実現可能性(前編)のロゴ画像

ハイブリッドクラウドを自社ITインフラの将来像と考えている国内ユーザー企業は多い。ハイブリッドクラウドを目指すには、現行のオンプレミス・インフラを「真のクラウド」に進化させる必要があるが、その実現は制約も多く容易ではない。ハイブリッドクラウドを検討している国内ユーザー企業は、自社オンプレミス・インフラのクラウド達成度を分析し、自社のITインフラ将来像を再検討する必要がある。

国内企業のクラウド・コンピューティング動向

多くの国内企業が、クラウド・コンピューティングを自社の重要なインフラテクノロジと位置づけるようになった。しかし、企業によって、クラウド活用の目指す姿は大きく異なる。パブリッククラウドを積極的に活用する企業がいる一方、ハイブリッドクラウド(プライベートクラウドとパブリッククラウドの両方を利用すること)を指向する企業も多い。

ITR Review 2017年10月号「クラウド・アーキテクチャの選択」(#R-217103)で紹介したように、5年後の自社のクラウド・アーキテクチャはハイブリッドクラウドである、と考えている国内企業は全体の約半分(47%)であった。これに対し、単一のプライベートクラウドである、とした企業は約2割(19%)であった。また、単一のパブリッククラウドとしたのは約1割(9%)であったが、マルチクラウド(複数のパブリッククラウドを利用する形態のこと)と回答した企業(25%)をあわせると、自社ITインフラの将来像はパブリッククラウドである、と考えている企業は約3分の1となった。このことから、将来はパブリッククラウドだけを利用すると考えている国内企業は少なくないことがわかる。

このように現時点ではハイブリッドクラウドを自社ITインフラの将来像と考えている国内企業が多いが、どれだけの国内企業が、ハイブリッドクラウドの真の価値を理解し、その実現可能性を検証しているのかは疑問である。本稿では、ハイブリッドクラウドの懸念事項について考察する前に、まず、プライベートクラウドとは何かを解説したい。

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