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ITR Review

コンテンツ番号:
R-217122
発刊日:
2017年12月1日

カスタマーサポート領域でのAI活用

重要となるVOCおよびFAQデータベース

著者名:
三浦 竜樹
カスタマーサポート領域でのAI活用のロゴ画像

Web接客/ライブチャットサポートツールの浸透が急速に進む中、チャットボットを利用した顧客対応の自動化への注目が高まっている。AIを活用し自動化することで、チャット対応のシナリオ作成の負荷低減や回答の精度向上を期待する企業が増えている。本稿では、カスタマーサポートにおけるAIの活用について述べる。

チャットボットとAIの関係

企業のWebサイトやECサイトに、接客やサポート業務の手段としてチャット機能を組み込んだり、LINEビジネスコネクトを個客との双方向コミュニケーションとして利用したりする企業が増加している。こうした中、チャットでの顧客との対話を、チャットボットと呼ばれるプログラムにより自動化することで、対応人数や時間を削減すことを検討している企業が多い。さらに、顧客に対するチャットボットの応対を機械的なものから、より人に近いものにするといった、チャットボットの対応力向上へ向けたAI活用の動きが拡大している(ITR Review 2017年10月号「重要チャネルとして浸透が進むライブチャット」#R-217105)。

AIを活用しないチャットボットは、基本的に想定される顧客からの問い合わせ内容を想定し、それに対する回答をデータベース化しておく。シンプルな例をあげれば、コールセンターにおけるIVR(Interactive Voice Response:自動音声応答装置)に近い。銀行の預貯金の残高を尋ねられれば、照会用DBを参照し、金額を回答するといったシナリオ設計となる。IVRであれば、ご用件(残高確認、利用明細、振込など)に関する会話のステップも必要となるが、質問と回答を紐づけておく作業に加えて、より適切な回答をするには、細分化されたシナリオを用意することとなり負荷が上がる。その負荷を避けてしまうと、適切な回答を提供できず、顧客の満足度を下げることになろう。極端な例をあげれば、スマートフォンの不具合で問い合わせてきた顧客に、不具合の内容による解決策を提示するのではなく、FAQサイトのトップページを案内するといった紐付けである。

本来であれば、コールセンターにおけるオペレーター・マニュアルのように、①どういった不具合か尋ね、②その不具合で可能性の高い理由を参照し、③最も可能性の高い解決策を提示、④解決されたかの確認、⑤解決されなければ次の可能性の提示といったボットのシナリオ設計にすべきである。設計にリソースをかけられないのであれば、チャットボットではなく有人のチャットサポートを選択すべきであろう。

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