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ITR Review

コンテンツ番号:
R-217111
発刊日:
2017年11月1日

漸進的イノベーションの意義

日本流テクノロジ革新のための仮説

著者名:
金谷 敏尊
漸進的イノベーションの意義のロゴ画像

テクノロジを基軸とするイノベーションには、ダイナミックな戦略転換やビジネス創生を期待する向きが強いが、実際には想定するシナリオ通りに進まないことも数多い。国内企業は、イノベーションには偶発性が介在することを念頭に置いて、漸進的イノベーションを捉えることが推奨される。

テクノロジ革新の状況

IoTやAIを中心とした新テクノロジの開発が進み、現行あるいは将来のビジネスに適用しようとする機運が高まっている。このようなテクノロジを基軸とするビジネス革新の動きは、特に北米企業で顕著であり、GE社をはじめとする大企業が経営方針に掲げて推進するだけでなく(ITR Insight 2017年冬号「デジタルビジネスの収益化戦略」#I-317012)、非常に多くのベンチャー企業が新たなビジネスモデルの展開や派生市場への参入を進めている。

図1.国別に見るIoT導入状況

図1.国別に見るIoT導入状況
出典:総務省の資料(平成28年)を基にITRが作成

IoTの導入状況を国別に見てみよう(図1)。2015年において、米国はプロセス、プロダクトの両面ですでに半数近くの企業がIoTを導入しており、これに追随する中国、ドイツ、英国、日本は、2015年時点で20%前後の導入率でほぼ横並びの状況である。一方、2020年に目を向けると、韓国を含め各国の導入率は軒並み70%以上に大きく拡大するが、日本のみが半数弱にとどまっている。日本は製造業が多い国であるにもかかわらず、将来的に他国から大きく引き離されることが予想され、憂慮せざるをえない。IoTに限らずテクノロジ革新のあらゆる分野で、過去にも日本が他国の後塵を拝してきたことは、改めて述べるまでもない。

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