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ITR Review

コンテンツ番号:
R-216112
発刊日:
2016年11月1日

アイデアライゼーションへのシフト

2つの事例からの考察

著者名:
浅利 浩一
アイデアライゼーションへのシフトのロゴ画像

アイデアライゼーションは、現在の制約やその延長線上に縛られることなく、ビジネスとITの理想像を追求していくためのプランニングアプローチである。こうした取り組みは、アイデアライゼーションと命名されていないだけで、すでにビジネスの現場で実践されてきている。企業は、2つの事例を基に、どのようにアイデアライゼーションを進めていくべきかの参考とされたい。

ビジネスの現場で実践されるアイデアライゼーション

デジタルイノベーションへの取り組みが活性化しており、製品/サービスの開発から革新的なビジネスモデルの追求まで、幅広い取り組みが続けられている。またこうした取り組みにおけるコンサルティングや、アイデアを共有したり検討作業を支援したりするツールの市場にも勢いがついてきている。例えば、アイデアをパイプラインとして管理したりポートフォリオで評価したりといった、従来のプロジェクト管理やPLMを補強・補完するツールzuがある。また、アイデア出しのブレーンストーミングや、顧客への提供価値(バリュー・プロポジション)など、ビジネスモデルの検討を支援するツールなどもある。

こうしたデジタルイノベーションの活動に共通する特徴がいくつかあると、ITRでは見ている。ひとつは、短期・単発ではなく、中長期・継続の取り組みにより成果が結実している例が多いことである。革新的な製品/サービスやビジネスモデルであればあるほど、ある日突然誕生したかのように見えて、水面下で長い検討や助走期間を経たものであることは少なくない。次に、こうしたイノベーションの多くが、従来の課題や制約をブレイクスルーしつつ、非常にシンプルで明解なコンセプトにより主導されることにあるのではないだろうか。逆にいえば、よくできた戦略や画期的な技術革新ほど、そのコンセプトやアイデアの着想はシンプルであり、一見誰でも模倣ができそうに見えて実はそうではないといった特徴があるように思われる。

本稿では、こうした特徴が確認できる好例として、ITの側面からではなく、製品/技術開発や経営戦略の2事例を確認してみる。いずれの例も、自社の取り組みをアイデアライゼーションとは命名していないが、現状の制約に縛られず、自由かつ大胆な発想の転換を重視したものであることが理解できる(ITR Review 2016年7月号「アイデアライゼーション・アプローチの勧め」 #R-216071」)。また、継続的な活動を続けることが重要であることも読み取ることもできる。

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