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ITR Review

コンテンツ番号:
R-216051
発刊日:
2016年5月1日

問われるビジネスとITの同期性

SoE時代に目指すべき方向性

著者名:
浅利 浩一
問われるビジネスとITの同期性のロゴ画像

デジタルイノベーションやビジネスITでは、全方面でスピードが求められるようになっていく。また、新たなSoE(Systems of Engagement)への取り組みでは、重厚長大なプランニングではなく、ビジネスとITの同期性を高めつつ、企業の社会的責任を損なわないような枠組みに沿ったシステム開発が重要となる。難問ではあるが、企業は、安易な楽観主義に陥らずに理想を追求すべきである。

デジタル化時代で問われるビジネスとITの同期性

社会・経済環境の著しい変化とデジタル技術の急速な進化に伴い、旧来の企業は今後大きく変革を迫られることになるだろう。デジタル技術を前提にビジネスをゼロから見直すことで問題解決を図るとともに、短いサイクルで仮説検証と学習を繰り返しながら、新たなビジネスの創出や既存ビジネスの強化を図っていくべきである。また、そうしたビジネスは、一般的な企業IT(エンタープライズIT)ではなくビジネスITにより実現されていくだろう。ビジネスITとは、「所属する業界に特化した業務分野や、自社の本業分野の差別化や優位性を支えるシステム」と、ITRでは定義している(ITR Insight 2015年夏号「ビジネスIT領域でのイノベーションの創造」#I-315071)。

デジタル化時代の企業に求められるのは、スピードであり、試行やPoC(Proof of Concept)の短サイクル化であり、市場環境への適応性強化であろう。激変する市場環境にあっては、既存ビジネスモデルの延長線上の改善だけでなく、新たなビジネスモデルを模索しながら事業の裾野やポートフォリオを拡大していかねばならない。こうした環境下で実装を進めていくビジネスITそのものも、実装と検証を繰り返しながら有効性と完成度を高めていく必要がある。ただし、こうした取り組みにおけるプロジェクトやITのマネジメントを疎かにしてよいということではない。いくらスピードや短サイクルの実装を重視するからといって、全体の整合性や合目的性を無視したシステムや、無秩序なテクノロジ/ツールの選択を繰り返すのは避けるべきであろう。また、ビジネスITの実装においても、セキュリティ、コンプライアンス、事業継続性など、企業が果たすべき社会的責任を全うすべきことはいうまでもない。

ビジネスITでは、企画・構想化段階から実装および運用に至る全ての段階で、ビジネスとITの壁や距離をなくして同期性を高めつつ、問題解決を図ることがこれまで以上に重要となる。そのためには、ITのマネジメントやプランニングの在り方そのものを見直していく必要があるのではないだろうか。

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