1. TOP
  2. レポート・ライブラリ
  3. モダンERPクラウドの動向 - ファイナンシャル・クラウド導入事例の考察 -


ITR Review

コンテンツ番号:
R-216013
発刊日:
2016年1月1日

モダンERPクラウドの動向

ファイナンシャル・クラウド導入事例の考察

著者名:
浅利 浩一
モダンERPクラウドの動向のロゴ画像

会計、販売、生産管理といった基幹系の中核業務はオンプレミスを選択する企業が多数派であり、SaaS/クラウドが一気に逆転することは予測しにくいと、ITRでは分析してきた。しかし、新たなテクノロジの転換期を積極活用する海外企業がERPクラウドの導入を進めるなか、国内でも状況が一変する可能性を考慮すべきかもしれない。

クラウドにシフトする海外ベンダーと積極活用する海外企業

グローバルERPベンダーが、各社それぞれの特色を活かしながらクラウドへのシフトを急速に進めていることは周知のとおりである。とはいえ、海外のユーザー企業が自社のERPコア機能を一気にクラウドに移行する状況にはなく、ERPとERP周辺機能のハイブリッド化に備えるべきと、ITRでは分析していた(ITR Review 2015年10月号「ハイブリッド化するERPへの備え」 #R-215104)。しかし、その分析を修正しなければならないタイミングが想定より早く到来したかもしれない。長年の投資で成熟したオンプレミス環境の刷新に依然として慎重な企業がある一方で、積極的にクラウドERPを選択する企業の生の声を、2015年10月25日から29日までサンフランシスコで開催されたOracle Open World 2015(OOW2015)で確認することができたからである。

OOW2015で、Oracle社会長兼CTOのLarry Ellison氏は、イベント初日のキーノート講演で、同社の競合がSAP社、IBM社からAmazon Web Services社、Salesforce.com社などに変わっていることを改めて強調した。そして、ERPクラウドが1,300社の企業に導入され、すでに60ヵ国300社で稼働していることを明らかにした。また、先行したHCMクラウドとCRMクラウドについては、すでにそれぞれ5,000社に導入されたことを踏まえ、SaaS/パブリッククラウドのビジネスへの展望を強調した。さらに、Oracle社CEOのMark Hurd氏は翌10月26日の自身のキーノート講演で、予測であるとしながらも以下のように述べた。

  • 今日では24%であるが、2025年までに80%のアプリケーションがクラウドで利用されるようになる。

次いで、ゲストとして登壇したGE社CIOのJim Fowler氏は、MarkHurd氏の予測よりさらに早いタイミングをクラウド化のマイルストーンとするIT方針について述べた。

  • 現状GE社では、クラウド化されたアプリケーションは10%だが、2020年までに70%とすることを目標にしている。

ITR 著作物の引用について

ITRでは著作物の利用に関してガイドラインを設けています。 ITRの著作物を「社外利用」される場合は、一部のコンテンツを除き、事前にITRの利用許諾が必要となります。 コンテンツごとに利用条件や出典の記載方法が異なりますので、詳細および申請については『ITR著作物の引用ポリシー』をご確認ください。

TOP