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ITR Review

コンテンツ番号:
R-215104
発刊日:
2015年10月1日

ハイブリッド化するERPへの備え

ビジネスITの進展を先読みした設計指針の重要性

著者名:
浅利 浩一
ハイブリッド化するERPへの備えのロゴ画像

グローバルERPベンダーが、クラウドへのシフトを急速に進めている。これに伴い、ERPのコア機能と周辺機能でハイブリッドクラウド化する傾向が強まることも考えられる。企業は、ビジネスITの将来構想を見据えながらハイブリッド化するERPの設計指針を検討すべきであり、成り行きでクラウドサービスを導入する悪循環をできるだけ回避すべきである。

急速にクラウドシフトを進めるグローバルERPベンダー

SAP社、Oracle社、Infor社といった、グローバルのトップERPベンダーがクラウドサービスの拡充を図ってきている。そのアプローチは各社さまざまであるが、いずれも従来のオンプレミス型パッケージだけでなく、新たなSaaS/PaaS/IaaSのサービスを収益源としていく狙いである。トップベンダー各社の決算報告では、いずれも従来型のライセンス売上げに対するクラウドサービスの成長性の高さを強調しており、クラウド一色といった感もある。

トップERPベンダーが、まだ売上げ全体に占める割合の高いオンプレミスからクラウドに軸足を移している背景には、投資家や株式市場へのアピールがあることは理解しておく必要がある。ERPベンダーに限らないが、投資家が企業を評価する際、将来にわたり売上げの成長が見込めるかは重要であり、クラウドビジネスへの注力および成長性の高さは欠かせざる判断要素となっているからである。その際に比較の対象となるのは、Google社、Amazon社、Facebook社であり、投資家はこうした革新的なクラウドベンダーを評価する際に、必ずしも現状の利益や収益性の高さだけを重視しない。

もちろん、ERP市場で競合するNetSuite社やWorkday社など、クラウド専業ベンダーに対する牽制もある。例えば、NetSuite社は、7期連続で売上げを3割以上伸ばし続けており、2015年第1四半期も前年同期比34%増、続く第2四半期も35%増を達成している。NetSuite社は、このまま成長を継続できれば、2016年には売上高1,000億円を超える見込みとなり、先駆者であるSalesforce.com社同様、ビリオンダラーカンパニーの仲間入りをする。

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