社内に閉じた境界型セキュリティモデルは、テレワークやクラウド活用が当たり前になった環境では十分なパフォーマンスと保護を提供できない。そこで注目されているのが、ゼロトラストモデルとSASE(Secure Access Service Edge)である(ITR Review『SASEの効率的な導入検討に向けて』R-224022)。ゼロトラストとは、社内・社外を区別なく全ての通信を信頼せず、常に検証する考え方である。一方のSASEは、このゼロトラストモデルに基づいてクラウド上でネットワークとセキュリティサービスを提供するアーキテクチャ、またはその一体型ソリューションである。SASEは、SWG(Secure Web Gateway)やCASB(Cloud Access Security Broker)など複数の製品を組み合わせて実現するベンダーと、SD-WANを含む単一のソリューションとして提供するベンダーが存在し、その提供形態は一様ではない。単一のソリューションか複数製品の組み合わせのどちらであっても、多様なネットワークを介した柔軟かつ安全なアプリケーションへのアクセスをコスト効率良く実現することは、クラウド時代のネットワークセキュリティの重要テーマとなっている。