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ITR Review

コンテンツ番号:
R-223085
発刊日:
2023年8月1日

DX時代のエンタープライズアーキテクチャ

多様な時代におけるEAの再構成

著者名:
浅利 浩一
DX時代のエンタープライズアーキテクチャのロゴ画像

多くの企業では、エンタープライズアーキテクチャ(EA)は過去の遺物と認識されているかもしれない。デジタル変革を推進する企業が、デジタルデータを意思決定に活用するデータドリブン経営を欠かせざる目標とするなか、アーキテクチャマネジメントの重要性は今後再認識されていくだろう。企業は、自社に適したEAについて再考すべき時期に来ている。

今後10年の基幹系システムにおけるシステム統合の重要性

企業を取り巻く経営環境の不確実性が高まるなか、多くの企業はデジタル変革に取り組みながら、自社のIT戦略を根本的に見直す必要性に迫られている。そうしたなかで、企業は基幹系システムの脱レガシー化を大きく進めながら部分最適のサイロから脱却を図りつつ、基幹系システムのクラウド化に向けた投資を続けている。国内のERP市場におけるこの10年の変遷を見ると、SaaSあるいはパッケージ製品をパブリッククラウド(IaaS)上で動作させる方式が主流となっており、今後も高い成長性が見込まれていることからも、そうした方向性が確認できる(ITR Review 2023年5月号『2030年代も生き残るERP』#R-223054)。しかしながら、新規に導入されるシステムではクラウドが主流になっても、すでに導入されている多くのシステム群全体で見れば、パッケージ(オンプレミス)、パッケージ(IaaS)、SaaSといった複数のシステム形態がしばらくは混在することになるだろう。

なぜなら、一定規模以上の企業の場合、企業内の全システムを同時期に刷新することは極めて困難だからである。これは、企業のバックボーンである基幹系システムの刷新においても同様である。したがって、システム統合は、これまでも、そしてクラウドが主流になった現在も今後においても、企業システムにおける根源的な課題といえるだろう。こうしたサイロ化を含む混在状態から、自社がマネジメントするシステムの将来像をどう描くかを、企業は検討していかなければならない。その複雑性と難しさは、オンプレミスのプラットフォームが主な管理対象であった時代とは異なる部分もある。しかし、従来よりもシステム化のスコープがより広くなっていることからすれば、難しさがさらに増しているといってよいだろう。

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