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ITR Review

コンテンツ番号:
R-223064
発刊日:
2023年6月1日

SoE/SoR区分論の再検証

SoE/SoRの区分と、開発プロセスおよびITインフラの関係

著者名:
甲元 宏明
SoE/SoR区分論の再検証のロゴ画像

SoEとSoRは異なるシステムと捉えて、それぞれ別のアプローチで設計/開発/運用を行うことを推奨する「SoE/SoR区分論」が散見されるが、これは正しくない。開発プロセスやITインフラもSoEとSoRのいずれにも適用可能なことを念頭に置いて、自社の戦略/戦術を立案すべきである。

SoE/SoR区分論とは何か

「SoE」という概念が日本に紹介されて久しい。SoEは、Systems of Engagementの略で「つながりのシステム」と和訳されることが多く、顧客、一般消費者、取引先といった自社ビジネスに関わる人達とのつながりを強化することを目的としたシステムを指す。その対義語としてよく使われるのが、「SoR(Systems of Record)」であり、「記録のためのシステム」を表している。

多種多様な、そしてこれまでになかった概念のアプリケーションが次々と開発されている現在も、SoEとSoRを区別してITシステムの設計/開発/運用の方法を使い分けることを推奨しているケースが散見される。本稿では、極めてバリエーションの広いアプリケーションをこのように単純に2つに分類することは意味があるのかを検証したい。なお、分析用途に利用するアプリケーションを「SoI(Systems of Insight)」と呼ぶこともあるが、ここでは対象外とする。なお、SoEの基本概念については、ITR Insight 2015年夏号『SoEのためのアプリケーション開発指針』(#I-315072)において解説しており、参照されたい。

多くのITコンサルタント、ITベンダーやIT系メディアが、SoEとSoRを全く別のシステムと捉え、設計/開発/運用をそれぞれ別のアプローチで行うことを推奨している。本稿では、以降このような主張を「SoE/SoR区分論」と称し、これについて再検証したい。

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