独立系ITコンサルティング・調査会社である株式会社アイ・ティ・アール(所在地:東京都新宿区、代表取締役:三浦 元裕、以下「ITR」)は、国内のローコード/ノーコード開発市場規模推移および予測を発表します。
ローコード/ノーコード開発市場の2022年度の売上金額は709億4,000万円、前年度比16.0%増となりました。市場を構成するベンダーのほとんどが売上金額を伸ばし、特に市場において大きな影響力を持つ上位ベンダーを含む6割超のベンダーで2桁以上の伸びとなったことが要因となりました。
ローコード/ノーコード開発プラットフォームは、自社データの利活用を促進し、ビジネスを活性化させる業務アプリケーションを迅速に開発するためのツールとして認知度が向上しており、今後もDXや業務改革の推進に伴う導入の拡大が見込まれます。
同市場を提供形態別に見ると、主に基幹システム周辺のシステム開発の効率化や迅速化を目的として導入されているパッケージは、大企業を中心に導入に一巡感が見え始め、クラウドサービスへの移行も進み始めていることから、一定の需要はあるものの今後の大幅な市場の拡大は期待できません。一方、クラウドサービスは、一部ベンダーの広告戦略によって認知が拡大しているほか、クラウドサービスを主力に据えるベンダーも増加していることから、中堅・中小を中心とした未導入企業での導入が期待されます。
これらのことから、同市場のCAGR(2022~2027年度)は14.0%、2025年度には1,000億円規模に拡大すると予測しています。
ITRのプリンシパル・アナリストである甲元 宏明は、「多くの国内企業がDXに注力するようになり、アプリケーション開発の迅速性や柔軟性を重視する企業が増えています。多くの企業は内製化に注力しているものの、アプリケーション開発に長けた社内エンジニアは少なく、経験豊富なエンジニアの中途採用も困難なことから、SIerとの協業によって内製を推進する企業が大半を占めています。SIerに依存する開発では十分な迅速性や柔軟性の確保が困難なため、高スキルのエンジニアを必要としないローコード/ノーコード開発プラットフォームに対する期待がますます高まっており、国内企業での導入・活用が拡大しています。なかでもクラウドサービス型のローコード/ノーコード開発は、今後も大きな成長を遂げるとみています」とコメントしています。
調査概要
今回の発表は、ITRが発行する市場調査レポート『ITR Market View:ローコード/ノーコード開発市場2024』に詳細を掲載しています。同レポートには、ローコード/ノーコード開発市場を対象に、国内25ベンダーへの調査に基づいた2021~2022年度売上げ実績および2027年度までの売上げ予測を掲載しています。