独立系ITコンサルティング・調査会社である株式会社アイ・ティ・アール（所在地：東京都新宿区、代表取締役：三浦 元裕、以下「ITR」）は、国内のMA（Marketing Automation：統合型マーケティング支援）市場のBtoB、BtoC別市場規模推移および予測を発表します。
MA市場の2022年度の売上金額は269億円、前年度比14.7％増となりました。2023年度も同14.9％増と引き続き好調な伸びを見込んでいます。各ベンダーともに機能拡張やマーケティング活動を積極的に進めており、新規ユーザーが着実に増加していることに加え、既存システムの拡張が進んでいることが好調な市場拡大の背景にあります。
本市場を法人間取引のBtoBマーケティング活動を支援する市場と、法人と個人消費者間取引のBtoCマーケティング活動を支援する市場に分類して見ると、2022年度はBtoB向け市場が前年度比13.6％増、BtoC向け市場は同15.7％増となりました。2023年度もBtoC向け市場の伸びがBtoB向け市場を上回ると予測しています。ITRでは、2027年度のBtoB向け市場の売上金額は220億円、CAGR（2022～2027年度）は12.0％、BtoC向け市場は335億円、同18.4％と、BtoCがより高い成長を示すと予測しています。
※本調査におけるMAは、マーケティング活動全般を支援する製品・サービスで、マーケティング・プランニング、見込客管理、カタログ管理、パーソナライゼーション、キャンペーン管理、イベント管理などの機能が含まれます。取引の対象とする顧客の属性により、BtoBとBtoCに市場を2つに分けています。
ITRのプリンシパル・アナリストである三浦 竜樹は、「マーケティングや営業活動における人的リソース不足とコロナ禍による同活動のオンラインシフトが、MA市場の2大成長要因といえます。BtoBでは確度の高い見込客を発掘し、見込客の属性やステータスに基づいた最適なマーケティングや営業アプローチを行うこと、またBtoCではさまざまなオンライン広告を起点にWeb／ECサイトなどに見込客を集客することの重要性が増し、それぞれ導入が進みました。一方、メルマガやWebコンテンツをパーソナライズするための人的リソース不足によって、これまでMA導入の効果を最大に得ることは困難でした。しかし、生成AIの適用によってパーソナライズド・コンテンツの準備を効率化することができるため、特に顧客セグメントが多様なBtoC企業での導入・利用が活性化すると予測します」とコメントしています。
調査概要
今回の発表は、ITRが発行する市場調査レポート『ITR Market View：SFA／MA市場2024』に詳細を掲載しています。同レポートには、SFA市場、MA市場、名刺管理市場、オンライン商談システム市場およびセールス・イネーブルメント・ツール市場の全5分野を対象に、国内50ベンダーへの調査に基づいた2021～2022年度売上げ実績および2027度までの売上げ予測を掲載しています。