独立系ITコンサルティング・調査会社である株式会社アイ・ティ・アール(所在地:東京都新宿区、代表取締役:三浦 元裕、以下「ITR」)は、国内のiPaaS(Integration Platform as a Service)市場規模推移および予測を発表します。
iPaaSは、クラウドサービスだけでなくオンプレミスも含めた企業の各種システムを、統合的に連携する製品・サービスです。APIベースの統合だけでなく、従来型のシステム連携(EAI/ESB/データベース連携/ファイル連携など)も含み、多様なコネクタを備え、製品・サービスによってはローコード/ノーコード型の開発ツールや、ビジネスモデル設計支援、プロセス自動化、イベント駆動などの機能も備えています。
iPaaS市場の2021年度の売上金額は28億円、前年度比36.6%増の高い伸びを示しました。2022年度は同42.9%増と2021年度を上回る伸びを予測しています。企業におけるSaaSアプリケーションの利用拡大に加え、ハイブリッド環境やマルチクラウド環境を志向する企業が増加傾向にあることから、iPaaSのニーズが徐々に高まりつつあります。また、同市場への新規参入ベンダーも増加しており、市場の認知度が高まってきていることから、市場は2026年度には115億円、CAGR(2021~2026年度)は32.7%の高い伸びを予測しています。
ITRのシニア・アナリストである水野 慎也は、「企業のデジタル化が推進し、システム間のデータ相互利用や、業務プロセスを跨いだ処理の自動化に対するニーズが高まっています。iPaaSは、複数システムのハブとなってデータを受け渡しすることに加え、定義したワークフローに基づき処理の自動化を行います。今後、企業システムはさらに複雑かつ高度な連携を求められることから、拡張性や将来の保守性は大きな課題になると予想されます。このため、企業の各種システムを連携し、一元的な管理を可能とするiPaaSは、企業のデジタル化の推進スピードを早める武器として、利用が拡大すると予想しています」とコメントしています。
調査概要
今回の発表は、ITRが発行する市場調査レポート『ITR Market View:RPA/OCR/BPM市場2022』に詳細を掲載しています。同レポートには、RPA、OCR、BPM、BRMS、ワークフロー、タスク・マイニング、プロセス・マイニング、iPaaSの全8分野を対象に、国内70ベンダーへの調査に基づいた2020~2021年度売上げ実績および2026年度までの売上げ予測を掲載しています。