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ITトレンド開催報告

「IT Trend 2019」開催報告
「テクノロジの転換期に求められる企業戦略」をテーマに、デジタルテクノロジを経営に活かす組織や体制のあり方をアナリストが提言

ITRは2019年10月3日、年1度のエグゼクティブ・フォーラム「IT Trend 2019」を、東京・京王プラザホテルで開催。会場にはユーザー企業の経営者やCIO、情報システム部門長など約900名が来場した。今年のテーマは「テクノロジの転換期に求められる企業戦略」。本格的なテクノロジ転換期にある今日、組織および人材のマインドセット(思考様式、ものの見方、価値観)は、どうあるべきか。本フォーラムでは、チーフ・アナリストのマーク・アインシュタイン、取締役/シニア・アナリストの館野真人による基調講演をはじめ、ITRアナリストによるアナリストセッション、ITベンダーによる特別セッションの全16セッションが行われた。

基調講演はチーフ・アナリストのマーク・アインシュタインと取締役/シニア・アナリストの館野真人による二部構成で行われた。前半は「2020年、そしてその先の未来を読む~最新テクノロジが変えるビジネスの最新動向」と題し、マーク・アインシュタインが登壇。国内外の最新のデジタルイノベーション事例を紹介した。

ITR チーフ・アナリスト マーク・アインシュタイン

ITR チーフ・アナリスト マーク・アインシュタイン

まず、ITRによる独自調査をもとに、IoT分野における企業の投資動向を解説した。調査によれば、65%の企業で何らかのIoTプロジェクトが進行中であり、投資予算は増加傾向にあることがわかった。また、IoTへの投資は、アプリケーションに対する投資がメインだった3年前に比べ、徐々にプラットフォームへの投資に比重が移ってきていることを指摘。今後もこの傾向は続いていくと予想した。「IoT導入の際の課題」についての設問に対しては、「IoTに関する社内スキルの不足」という回答が一番多く、次いで「組織の壁」が続いた。IoTのプロジェクトはどの部門が主導するのか。IT部門なのか、マーケティング部門なのか、事業部門なのか。現状では正しい答えがあるわけではなく、今後も大きな課題となるだろうと指摘した。さらに、市場はまだ新しく、形成の段階にあるため、IoT市場におけるリーダーはまだ明確でないとの見方を示した。

次に、デジタルトランスフォーメーションの7つのキーテクノロジとして、「5G」「AI」「Robotics」「xR」「Biometrics」「Edge Computing」「Digital Twins」をあげ、各テクノロジによるイノベーション事例を紹介。さらに、産業別のデジタル変革のビジネスモデルを解説。これらを踏まえたうえで、「5Gはすべてのサービスの強力なバックボーンになる。日本企業は海外のベストプラクティスを学ぶことが有効」と締めくくった。

ITR 取締役/シニア・アナリスト 館野真人

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基調講演後半には、取締役/シニア・アナリストの館野真人が登壇。「デジタル時代への転換期の今こそ、求められる人材像とマインドセット」と題した講演を行った。

 館野は「真のデジタライゼーションを実現するうえでは、『テクノロジ』の進歩に加えて、テクノロジを受け入れて価値を引き出す『人』の存在が不可欠である」としたうえで、デジタル時代においては、日々の思考や、行動を支えるマインドセットを転換することが必要であると説いた。

また、エグゼクティブ、リーダー、スタッフそれぞれの役割に変化が生じることを強調。「全てのビジネスパーソンは、デジタル変革を我が事と捉えて、積極的に参画すべきである」と提言した。

午後からは、3トラックに展開。ITRアナリストとITベンダーによる15セッションが行われた。

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