XR(VR/AR/MRの総称)は、視覚体験の提供からAIと連携した空間情報を提供するサービスへと進化している。また、Apple社のMRデバイス「Vision Pro」をはじめ、Meta社やGoogle社などのAI/スマートグラスへの関心が高まる中、企業の投資意欲が拡大している。本稿では、XRの概要と活用シーン、そして企業導入での留意点について述べる。
XRへの投資意欲の高まり
XRは、VR(仮想現実)、AR(拡張現実)、MR(複合現実)など、現実世界と仮想世界を融合するテクノロジの総称である。これらは、ゴーグル型やグラス型のヘッドセットデバイスと、OSおよびアプリケーション/サービスなどのソフトウェアを組み合わせて実現される。また、これまでは、コンシューマー市場におけるエンターテイメント用途のガジェットとして注目されていたが、2026年度は企業による活用が進展すると予測される。
ITRが2025年8~9月に実施した『IT投資動向調査2026』では、VR/AR/MRは、2026年度に企業が新たに導入する可能性を示す「新規導入可能性」において全110製品・サービス中5位となり、導入済み企業における追加投資(および投資額削減)を指数化した「投資増減指数」においても13位に位置づけた。また、2026年度の新規導入可能性では、「AI/機械学習プラットフォーム」が1位、これに「AI支援開発」「生成AI」が続き、AI基盤関連がトップ3を占めたが、AIによる音声認識/合成や画像認識機能を搭載したスマートグラス(AIグラス)の登場に加え、VR/AR/MRへのAI適用を背景に、XR関連製品・サービスへの投資も注目が高まっているといえよう。
XRへの従業員規模別の投資意欲は、新規導入可能性、投資増減指数ともに、企業規模が大きいほど高い値となった(図1)。業種別の新規導入可能性は、「建設・不動産」が最も高く、「製造」が僅差で続いた。「公共」での新規導入可能性は「卸売・小売」と並び、高くないものの、投資増減指数は「情報通信」と同水準の高さであり、2026年度に積極的な追加投資が予想される。
出典:公開情報を基にITRが作成