クラウドサービスの導入が加速し、業務部門主導で導入されるケースが増加する中、ITコスト全体の可視化とIT投資効果の評価がより一層困難になっている。欧米企業では、こうした課題の解決とITのビジネス価値向上を目的として、TBM(Technology Business Management)フレームワークへの注目が高まっている。本稿では、TBMの概要と、これを活用したIT支出と効果の分類・評価手法について解説する。
IT投資をビジネス価値の最大化に繋げるためには、IT支出を、財務視点、IT視点、ビジネス視点で分類・分析し、可視化したうえで迅速かつ戦略的に活用する必要がある。こうした考えた方を体系化した経営管理の方法論(フレームワーク)として注目が高まっているのが、TBM(Technology Business Management)である。TBMの発展を目的とするNPO団体であるTBM Councilには、Fortune100企業の92社を含む、110ヵ国以上・4,000以上の組織から、1万8,000人を超えるメンバーが参加している。