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ITR Review

コンテンツ番号:
R-225096
発刊日:
2025年9月24日

IT部門のコア業務の再定義

役割の明確化と価値創造への進化

著者名:
村井 真人
IT部門のコア業務の再定義のロゴ画像

攻めのIT、守りのITという言葉が広がる一方で、IT部門の本質的な業務が曖昧になっている。本稿では、IT部門の歴史的背景と現状の役割を踏まえたうえで、IT部門が企業価値の向上に貢献するために定期的にコア業務と非コア業務を整理することの重要性を提言する。

IT部門のコア業務

IT部門に求められる役割が変化しつつある。従来、IT部門は業務システムの安定運用やインフラの整備・保守を中心とした「守りのIT」に注力してきたが、近年では他部門と連携し新たな価値を生む「攻めのIT」への期待が高まっている。しかし、「攻め」「守り」といった抽象的なフレームだけでは、実務レベルで優先すべき事項が不明確であるという声も多い。特に限られた人員で運営されるIT部門においては、業務の切り分けが曖昧であるため、全ての業務が重要に見えてしまう傾向にある。こうした現状が、IT部門の存在価値を不明瞭にし、組織における役割の混乱を招いている。

クラウドやSaaS、内製化ツール、自動化ツールなどの普及や、アウトソーシングサービスの発展などにより、全てのIT業務をIT部門が担う必要性は減少しており、企業のIT業務を再編する機会となっている。本来、IT部門の役割は企業の持続的な成長を支えることであり、そのためには、「何を担うべきか(コア業務)」と「何を委ねるべきか(非コア業務)」を明確に区分することが求められる。これが曖昧なままでは社内外の変化に迅速に対応することができず、IT部門の人員の疲弊を招くことになる。これを避けるためには、IT部門のコア業務を明確に定義し、組織全体で共有することが求められる。

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