大規模な基幹系システムの多くが、その刷新に伴いクラウド化されてきている。その理由や背景はさまざまであるが、多くの企業に共通するのは、レガシーやオンプレミスなどが混在したサイロ状態の基幹系システムを刷新しクラウド化することによって、つぎはぎの業務プロセスならびにデータ分析に内在する多数のアナログ作業のデジタル化・自動化を推進することにある。さらに、生成AIやLLMといった、急速に進展する新たなテクノロジを活用していくための業務基盤を整備することにより、本来人間がすべき作業をより高度化させる狙いもある。ユーザーのリテラシーが不足する場合はその底上げを図りつつ、時間をかけて経験を積まないとできなかった業務や意思決定への支援が、生成AIや機械学習といったAI技術によって可能となってきている。AI技術の、いわば燃料にあたるファクトデータの精度を向上させるSSOT(Single Source of Truth)をグループ/グローバルの基幹系システムで実現することが、企業にとって重要なパラダイムになったといえるだろう(ITR Review『グローバルシステムのパラダイムシフト』R-224064)。