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ITR Review

コンテンツ番号:
R-224075
発刊日:
2024年7月16日

ウラノス・エコシステムとは何か

エコシステムをつなぐデータ連携の将来ビジョンを考察する

著者名:
水野 慎也
ウラノス・エコシステムとは何かのロゴ画像

スピードが要求される近年のビジネス環境において、EDIを中心とする従来型の取引データ交換では、接続先企業の増加に柔軟に対応することが難しい。国や業界などをつなぐエコシステム間のデータ連携は、一層難易度を増している。本稿では、経済産業省を中心に検討が進められている「ウラノス・エコシステム(Ouranos Ecosystem)」を取り上げ、エコシステム間のデータ連携の将来ビジョンを考察する。

ウラノス・エコシステムとは

ウラノス・エコシステムは、国内企業が業界を横断してデータ連携が可能となる基盤の構築を目指し、経済産業省の主導により検討が進められてきた。2023年度に開始したプロジェクトは節目を迎え、2024年3月に情報処理推進機構(IPA)から「企業間取引将来ビジョン検討会」の最終報告書が公開され、企業間取引のあるべき姿とデータ連携の構築方針が示された。

この取り組みの背景には、特に国内製造業のデジタル化を後押しする狙いがある。日本のものづくりにおける競争力の源泉は、系列企業間で取引構造をタテ型に繋ぎ、長期の安定した取引を実現することで高品質と低価格を維持してきたことにある。しかし、いまや社会や顧客のニーズ、激甚化する災害への対応や地政学リスクなど、国内外の変化を捉えてビジネスを俊敏に変革する必要がある。複雑な取り決めや改修の困難なプログラム構造を持つ従来型のデータ連携方式では、これに対応することが難しいことから、エコシステム間のプレーヤーを最適に組み合わせ、取引を俊敏にデータ駆動型に対応させる共通のプラットフォーム「ウラノス・エコシステム」が求められている。企業や業界、国の境界を超えて臨機応変に組み替えて連携する、メッシュ型の産業構造への転換が必要になる(図1)。

図1.臨機応変に組み替えを行うメッシュ型産業構造

図1.臨機応変に組み替えを行うメッシュ型産業構造
出典:ITR

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