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ITR Review

コンテンツ番号:
R-224062
発刊日:
2024年6月4日

アプリケーション開発へのAI活用(後編)

ローコード/ノーコードおよび運用保守におけるAI活用の可能性

著者名:
甲元 宏明
アプリケーション開発へのAI活用(後編)のロゴ画像

市民開発の盛り上がりに伴い、ローコード/ノーコードツールの採用気運が高まっている。ほとんどのローコード/ノーコードツール・ベンダーがAIの積極的な活用を試みており、この分野では早い時期にAI適用のブレークスルーが生まれるだろう。企業は、運用/保守における各作業はAIの活用が当たり前のものになると捉え、AIでは不十分な作業だけに人的作業を残すべきである。

ローコード/ノーコードツールにおけるAI活用動向

国内企業では年々市民開発の取り組みが盛んになっており、最も有力な手法のひとつとして期待されるローコード/ノーコードツールの導入が進んでいる。また、いまやAIの活用はさまざまな領域に広がり、ローコード/ノーコードにおいても以下のような活用が進んでいる。

  • これまで人間による作業が必須であった設計工程に対し、AIがシステム設計書や設計のためのデータ/コードセットを出力する
  • ローコードにおけるコーディング作業をAIが担当する
  • ローコード/ノーコードのテスト工程をAIが担当する

ローコード/ノーコードツールを使った設計は、従来はビジネス分析経験が豊富な社員や、アプリケーション設計に長けたエンジニアが担当することが多かった。AIを活用することでこれらの設計作業が完全になくなる可能性は低いものの、分析やデータデザインなど設計作業の多くをAIが支援することで、市民開発の障壁は極めて低くなるだろう。ローコードツールは最小限のコーディングで迅速にアプリケーションを開発することができるが、コーディングには各ツール独自の言語やルールに従う必要があり、誰でもアプリケーションが開発できるとはいえなかった。しかし、この作業をAIが支援することで、開発経験のない一般社員でもローコードツールによって開発できる可能性がある。また、ローコード/ノーコードツールのいずれも、本番適用前にテスト作業を行う必要があるが、テストアプリケーションへのデータ入力や評価などをAIが担当すれば、漏れのないテストが行えるだろう。

ITRが調査したローコード/ノーコード開発市場の主要ベンダー10社について、AIへの各社の取り組みを図1にまとめた。この他にも、国内外においては非常に多くの非公開の取り組みが進んでおり、大半のローコード/ノーコードツール・ベンダーが生成AIとの連携に取り組んでいるといっても過言ではない。ITRでは、ローコード/ノーコードツールのAI活用は今後ますます拍車がかかると予測している。

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