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ITR Review

コンテンツ番号:
R-222112
発刊日:
2022年11月1日

デジタルを駆使した仕事と働き方

デジタル化を前提とした業務のデザイン

著者名:
内山 悟志
デジタルを駆使した仕事と働き方のロゴ画像

デジタルは社会・経済にますます浸透していくことが予想される。そのような環境下で生き残り、成長するために、企業はデジタルを前提とした運営を行っていかなければならない。DXが定着した企業となるための要件のひとつが、デジタルを駆使した仕事と働き方を実現することである。今後は、デジタルを前提に業務プロセスや働き方をデザインすることが求められる。

業務の質と量の変革

DXが推進され、デジタルが進展すると、私たちの仕事や働き方はどのように変わっていくのだろうか。企業の業務を大きく分けると、新しい製品やサービス、ビジネスモデル、顧客体験、需要を生み出すような「付加価値業務」と、その価値を確実に生産したり、届けたり、それらを管理したりする「オペレーション業務」の2つがある。まずは、デジタル化を進めることにより、オペレーション業務に費やす時間を低減し、付加価値業務に振り向けることで、その時間比率を高める必要がある。多くの企業において、現在の業務量は圧倒的にオペレーション業務に費やされている。デジタルの時代には、オペレーション業務のほとんど全てが、画像認識などを含む人工知能(AI)、ソフトウェアロボット(RPA)、ハードウェアロボット(ロボットアームや自動倉庫など)によって代替されるだろう。手書きや紙ベースの書類、手作業、目視、対面といった物理的な業務をデジタル技術によって置き換え、電子化、仮想化、自動化することで、業務の効率だけでなく品質も上がることが期待される。また、反復的な作業や事前に手順をプログラム化できる仕事だけでなく、経験を要する仕事や、複数の要素を組み合わせて判断しなければならないような、現場における日常の小さな意思決定業務もその対象となろう。デジタル化を進めることによって、人が行っていたオペレーション業務をテクノロジに代替させることで得た人的余力を、付加価値業務にシフトさせることがポイントといえる。今後は、オペレーション業務か付加価値業務かを問わず、新しい業務プロセスを検討する際には、AIやRPAがその一翼を担うことを前提に設計しなければならない。

次のステップとして業務量の配分を変えるだけでなく、オペレーション業務と付加価値業務の両方において業務の質を高め、同じ業務量で生み出すアウトプットを増大させることが求められる。まず、オペレーション業務は、処理や作業のスピードアップだけでなく、データがデジタル化され可視化されることで、ミスが減少し、業務の品質や意思決定の精度が上がる。さらに、付加価値業務の質も高めていかなければならない。デジタルを活用した創造的な活動を促進するためには、創造的なアイデアが生まれやすい、協調的な作業を行いやすい、データや情報を高度に分析・活用しやすいといった環境を整えることが求められる(図1)。

図1.オペレーション業務と付加価値業務の量と質を改善する

図1.オペレーション業務と付加価値業務の量と質を改善する
出典:ITR

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