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ITR Review

コンテンツ番号:
R-222102
発刊日:
2022年10月1日

デジタルコンテンツの収益化

多様化するCXを捉えたビジネス機会

著者名:
金谷 敏尊
デジタルコンテンツの収益化のロゴ画像

XRやメタバースをはじめとするデジタル技術革新により多様化するCX(顧客体験)を見据えて、デジタルコンテンツを活用した新たなビジネス機会を多くの企業が模索し始めている。本稿では、ビジネス開発を進める際の一助として、デジタルコンテンツを活用した収益化モデルの概況を示す。

拡大するデジタルコンテンツの需要

現在多くの企業がDXを実践し、産業レベルでの変革も徐々に進んでいる。デジタライゼーションの波は、一般消費者視点からも顕著に感じられる。特に、ここ数年でアナログデータ/物理データの電子化が急速に進んだことで、さまざまなデジタルコンテンツが市場に浸透してきている。新聞、書籍、コミック、音楽、ビデオなどのコンテンツの多くが、デジタルメディア経由で購入・閲覧できるようになり、現物を必要とする機会は限られるようになった。コンビニや小売店では、スマートフォンや電子マネーでの決済が普及し、現金がなくても買い物ができる。飲食店ではタッチパネルでの注文が一般的となり、飲食店での配膳ロボットも珍しいものではなくなった。

デジタルコンテンツの活用機会は、企業内や企業間においても多数存在する。旧来より自動車や設備産業では、CADデータを用いて設計・エンジニアリングを行うことは一般的であった。昨今は、物理的な物体やプロセスのデジタルコピーを仮想世界にリアルタイムに再現するデジタルツインの活用も進んでいる(ITR Insight 2021年秋号『次世代デジタルツインの展望』#I-321101)。コネクテッドセンサーの導入により、企業はIoTシステムで多岐にわたる新しい測定指標の収集と監視を行えるようになった。デジタルツインで実現するシナリオプランニングなどの新機能は、効果的な予測、メンテナンス、シミュレーションを可能にする。

生産工程における製品検査や設備保全、あるいは技術者向けの教育やリスキリングなどにおいても、デジタルコンテンツの活用が進む傾向にある。ARデバイスを活用することで、設備機器の保守・メンテナンスにおける的確な作業指示や、ハンズフリーでのマニュアル閲覧も可能である。研修・教育では、座学だけではなくVRデバイスによる臨場感のある疑似体験を通じて、現場の状況確認を行うことができる。そのほかにも、医療研修、フライトシミュレーション、災害救助など、さまざまな場面でVRコンテンツが利用されている。

このようにデジタルコンテンツの活用が進む背景には、高精度ディスプレイやXRデバイス、あるいはGPUやグラフィックボードの高性能化によって、ストレスなく映像体験を得られるようになったことがある。このことは、企業向けのソリューションもさることながら、一般消費者向けのサービスに多大な影響を及ぼしており、新たなCXの創出を狙ったプロダクト戦略やマーケティング戦略が多くの企業で検討されている。そこで、ここでは一般消費者向けの収益化モデルを類型化し、デジタルコンテンツによるビジネスの概況を紹介しよう。

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