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ITR Review

コンテンツ番号:
R-222081
発刊日:
2022年8月1日

顧客インサイトを探るためのデータ活用基盤

IT部門が関与すべき基盤整備のポイントとは

著者名:
水野 慎也
顧客インサイトを探るためのデータ活用基盤のロゴ画像

昨今のマーケティング環境において、自社の商品やサービスが顧客に選ばれるには、顕在化したニーズや課題に応えるだけでなく、顧客の隠れた意識(顧客インサイト)を探索してアプローチすることが重要である。本稿では、顧客インサイトを探索する際に必要なデータとその活用基盤に着目し、IT部門がデータ活用基盤の構築において関与すべきポイントを解説する。

顧客インサイトの探索とデータ活用

企業のマーケティング環境は厳しさを増し、似かよった機能を持つ商品やサービスが溢れ返っている。このような状況のなか、自社の商品・サービスを選んでもらうためには、顧客が真に欲しいと思うものを探り、そのニーズに応える商品・サービスを効果的なタイミングで提供することが重要である。しかし、「欲しい」という欲求は顧客自身も曖昧であり、はっきりと意識する状態になっていないことが多い。これまでの企業のデジタルマーケティング活動は、顧客の意識が曖昧にもかかわらず、あたかも「あなたはこれが欲しいはず」というようなメッセージを一方的に発信して逆効果になっている事象が多数散見される。顧客の隠れた「欲しい」という心理は「顧客インサイト」と呼ばれ、それを探索しアプローチすることが、顧客を購買行動に動かすポイントといわれている。

高額な商材などの販売において、専属の営業担当が対面で接客する場合は、顧客とのコミュニケーションのなかで顧客インサイトを探り、購買に向けて内容とタイミングを工夫し情報提供しているであろう。しかし、コロナ禍を経てデジタルが前提となったマーケティング環境においては、WebやSNSなどデジタルの接点を介したアプローチとなり、千差万別の顧客に対し、一人ひとりに応じたアプローチを行うことは不可能である。したがって、商品・サービスのターゲットである顧客をいくつかのグループに分け、グループごとにアプローチする戦略を立てることが一般的である。これまでのデジタルマーケティングの手法では、ターゲットとなる顧客が高頻度で閲覧するWeb記事やSNSに対して、そのターゲット顧客に合わせたビジュアルコンテンツや、テキストメッセージを広告として配信してきた。これらのWeb広告の手法は現在も主流であり、商品・サービスの認知形成に一定の効果があることには変わりない。しかし、商品やサービスの価値に対して理解と共感を得るためには、前述した顧客インサイトに踏み込んだアプローチが必要となる。それには、これまでよりも広範囲な顧客の行動履歴とその動機となる深層の意識を「データ」として収集することが求められるのである。

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