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ITR Review

コンテンツ番号:
R-222032
発刊日:
2022年3月1日

DXビジョンの策定と周知

デジタルジャーニーの目指す先を示す

著者名:
内山 悟志
DXビジョンの策定と周知のロゴ画像

DXを着実に推進し、全社に浸透させるためには、ビジョンが必要である。これがなければ、各所で散漫なDX施策が連発され、目的を見失った取り組みが繰り返されることになる。DX推進にまつわる問題の多くは、DXビジョンの不在または全社への浸透が不十分であることに起因している。

DXビジョンの必要性と位置づけ

DXは、終わりのない長い旅であり、「デジタルジャーニー」と呼ばれる。また、DXでは、既存事業でのデジタル化による業務高度化や新規事業分野の創出、さらに企業内の制度・組織などの変革といった多数のプロジェクトが同時並行で進行するため、多くの組織と関係者を巻き込んだ活動が多方面で展開される。利害関係も複雑となるため、目標とする行き先を見失いがちとなる。「PoC(コンセプト検証)を多数実施しているが、一向に本番化できない」「デジタル化の施策に事業部門の協力が得られない」「先進技術の導入が目的化して、なぜそれが必要なのかに目が向いていない」といったDX推進にまつわる問題の多くは、DXビジョンの不在、または全社への浸透が不十分であることに起因している。

企業が、全社一丸となってデジタルジャーニーを歩んでいくためには、明確なビジョンが必要となる。DXのビジョンとは、「なぜ、自社にとってDXやデジタル化が必要なのか(Why)」と「DXによってどのような姿を目指すのか(Where)」を示すものである(図1)。しかも、それは現在の課題に対する解決策ではなく、「5年後や10年後に自分たちが何を実現したいのか」という未来の行き先、すなわち「目的」を示すものでなければならない。これがなければ、各所で散漫なDX施策が連発され、目的を見失った取り組みが繰り返されることになる。具体的には、目指すべき企業像、将来の事業ポートフォリオ、組織風土などの提示が求められる。

一方、DX戦略は、DXビジョンを実現するために「誰がどのような体制で(Who)、何を施策として実行するのか(What)」を明確に示すもので、組織体制、役割、柱となる具体的な施策の方向性を提示するものでなければならない。

図1.DXビジョン・戦略の位置づけ

図1.DXビジョン・戦略の位置づけ
出典:ITR

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