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ITR Review

コンテンツ番号:
R-222014
発刊日:
2022年1月1日

実用化が進むデータの拡張分析

セルフサービスBI、時系列データ分析、データ・プレパレーション

著者名:
平井 明夫
実用化が進むデータの拡張分析のロゴ画像

AI/機械学習をソフトウェアに組み込むことでデータ分析を自動化する拡張分析(Augmented Analytics)が、データ分析に関わるさまざまな分野で実用化が進んでいる。本稿では、特に実用化が進んでいるセルフサービスBIツール、時系列データ分析ツール、データ・プレパレーション・ツールの3分野について最新動向を解説する。

セルフサービスBIツール

セルフサービスBIツールの導入は、エンドユーザー主導で行われてきたが、実際には一部のリテラシーの高いユーザーが率先して利用することで実現されてきたため、多くの企業では部門レベルの導入にとどまっていた。そのため、同ツールのベンダーは、より多くのリテラシーの低い一般ビジネスユーザーによるセルフサービスBIツールの利用を促進するため、早い段階から拡張分析機能を積極的に実装してきた(ITR Review 2019年7月号『セルフサービスBIツールの最新動向』#R-219074)。

セルフサービスBIツールにおいて、拡張分析により自動化される代表的な機能は多次元分析(OLAP分析、ピボット分析とも呼ばれる)である。多次元分析とは、売上目標未達といった目標値と実績値の乖離が発見された場合、その原因を追究するために、商品、顧客、地域などを分析軸に設定し、さまざまな角度からより詳細な単位で数値を検証し、乖離の原因と思われるセグメントを特定する分析手法である(図1)。分析軸として単一の軸を使うだけではなく、商品と顧客といった複数の軸を同時に使うこともある。さらに、乖離の原因と思われるセグメントを特定した際に、そこに含まれる詳細データまで掘り下げて検証する場合もある。

多次元分析は、リテラシーの高いユーザーが、自らの経験を基に分析軸を設定、変更することで正確に分析できるが、一般ビジネスのユーザーにとっては難易度の高い手法といえる。この多次元分析を拡張分析により、乖離の原因となったセグメントの特定からグラフや自然言語でのレポート作成までを自動化することで、ユーザーのリテラシーを問わず、多次元分析を実行することが可能になった。

図1.多次元分析

図1.多次元分析
出典:ITR

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