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ITR Review

コンテンツ番号:
R-221063
発刊日:
2021年6月1日

進化するオンライン面接ツール

豊富な支援機能とAI評価によって再考が迫られる人材採用

著者名:
舘野 真人
進化するオンライン面接ツールのロゴ画像

コロナ禍の影響により、2020年は採用面接をオンラインで行う企業が急増した。そうしたなかで注目されているのが、面接における一連のプロセスを支援するオンライン面接ツールである。特にAI技術による評価(スコアリング)機能は、企業の人材獲得戦略全体に影響を及ぼす可能性が大きい。

コロナ禍で一般化したオンライン面接

コロナ禍によって人の移動が大幅に制限された2020年、企業においてその影響を大きく受けた業務分野のひとつが人材採用である。ITRが2020年7月、国内企業のIT担当者を対象に実施した『コロナ禍に伴うテレワーク実態調査』において、「コロナ禍のために思うようにできなかった」業務を問うたところ、「人材採用・面接」をあげた回答者は20%に上った(図1)。「問題は生じたが何とかできた」という回答も含めると、同業務に影響を受けたとする企業の割合は50%に達した。とりわけ、新卒一括採用が慣例化している国内企業にとっては、コロナ禍による影響が大きかったと推察される。

図1.コロナ禍によって思うようにできなかった業務

図1.コロナ禍によって思うようにできなかった業務
出典:ITR『コロナ禍に伴うテレワーク実態調査』(2020年7月調査)

対面でのコミュニケーションが大幅に制限されるなか、企業が相次いで実施したのがオンラインによる採用面接である。経団連が会員企業向けに実施した『2021年度入社対象新卒採用に関するアンケート』(2020年6月~7月実施、N=422)の結果によれば、2021年春入社の新卒者向けの採用面接をオンラインで実施した企業の割合は実に92.9%に上り、最終面接も含めた全ての面接をオンラインで行った企業も63.8%を占めた。

コロナ禍を契機に急速に進んだ採用面接のオンライン化は、今後も一定の割合で定着するとの見方が強い。遠方に在住する応募者を集めやすい、交通費の支給がいらない、面接官の拘束時間が短いといった、オンライン面接ならではのメリットを多くの企業が実感したためである。若年層の人口が減少するなか、オンライン面接は採用の間口を広げるための有力な手段として期待されている。しかし、その一方で、オンライン面接には、場の空気感が共有しにくい、身振り・手振りを含めた非言語情報が得にくく人間性が読み取りにくい、といった制約があることもまた事実である。今後に向けて、オンラインを前提とした効果的な採用プロセスを確立することは、全ての企業にとって重要な課題になるであろう。

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