OCR(Optical Character Recognition:光学文字認識)の歴史は長いものの、認識精度の低さから企業での導入は限定的であった。しかし、近年、AI活用による認識精度の向上や、データの自動抽出機能の追加などにより、OCRを見直す企業が増加し国内OCR市場が急速に拡大している。『ITR Market View:RPA/OCR/BPM市場2020』によれば、2019年度のOCR市場の売上金額は87億円、前年度比47.5%増を示し、2年連続で前年度からの伸び率が45%を超えた。ITRでは、引き続き2020年度も同31.0%増と高い成長を予測している。その背景には、ここに来て、AIを活用した精度向上に伴い、OCRソリューションの移行などが進み、新規導入/既存システムのリプレースを問わず、OCRが改めて評価されていることがある。帳票レイアウトの自動認識機能や、RPAと連動したシステムでの導入など、OCRの活用が幅広い分野で進んでおり、市場の拡大を後押ししている。