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ITR Review

コンテンツ番号:
R-220042
発刊日:
2020年4月1日

サービス化時代のカスタマーサクセスとは

カスタマーサクセス・ソフトウェアによる効率的な業務支援

著者名:
三浦 竜樹
サービス化時代のカスタマーサクセスとはのロゴ画像

カスタマージャーニーでの購買・契約までのフェーズにおいて、DMP(Data Management Platform)やマーケティング・オートメーションなどを活用した顧客データの収集・分析などのデジタル化が急速に進展している。また、購買・契約後のサポートフェーズにおいても、チャットボットや音声認識技術の採用などが進展している。本稿では、顧客のロイヤルカスタマー化を目的に注目が高まっているカスタマーサクセスについて解説する。

カスタマーサクセスが注目される背景

購買行動のデジタル化に伴い、企業はより顧客を中心に据えてさまざまな施策を横断的に遂行できるようIT投資や組織体制の変革を進めている。単に顧客データをCRMに保管し、マーケティング、営業、カスタマーサポートの各部門がそれぞれ各領域の業務に注力してきた時代から、部門の壁を越えて、さらにグループ企業をも横断してデータを収集・分析することによって、顧客をより詳細かつ幅広く把握し、一貫した情報やサービスを顧客に提供することが重要な時代になってきている。

例えば、マーケティングと営業のデータを連携して、既存顧客がどのようにマーケティング施策/コンテンツに興味を抱き、どのように情報を入手し比較検討を経て購買・契約に至ったのかを分析し、見込客のデータと対比することで、購買・契約に至る可能性の高い見込客の情報をマーケティング部門が営業部門に共有することが当たり前となってきている。

購買・契約後のサポートフェーズにおいては、従来は購買・契約された商品やサービスの不具合などを、利用中の問題を解決することが業務の大半であった。しかし、スマートフォンやソーシャルメディアの普及により、能動的な対応が求められるようになっている。不具合などの問題がソーシャルメディアに投稿された際には、迅速に解決手法をソーシャルメディア上に提示し、開発部門に情報共有することが重要である。顧客の満足度を高めることでリピート購買やアップセル/クロスセルを促進し、ソーシャルメディアでの成功体験をシェアすることで顧客の友人を見込客化するといった効果が期待できる。

こうした顧客への情報提供やサポートのデジタル化に加え、さまざまな商品やサービスがサブスクリプション型のサービスへシフトしていることも、後述するカスタマーサクセスの注目に関係している。サブスクリプション型ビジネスにおいては、商品・サービスの多くは月額料金で提供されている。顧客は期待した体験が得られなければ、あるいは他の商品・サービスに魅力を感じれば、いつでも利用を停止・解約することができる。

カスタマーサクセスとは、その名の通り「顧客の成功を重視する」という考え方であり、顧客の心理ロイヤルティを生み出し、それを高めることを指す。具体的には、顧客が自社の商品・サービスの価値を最大限に引き出すことができるように、さまざまな施策を遂行することが求められる。その施策遂行の評価の基準となるのは、顧客の商品・サービスの継続利用、すなわち解約の防止と、利用継続によってもたらされるLTV(顧客生涯価値)の最大化である。また、カスタマーサクセスは、人材や組織を指すケースもある。近年は、カスタマーサクセスに関わる人材・組織が効率的にその業務を遂行するうえで利用するシステムやサービスも登場してきている。

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