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ITR Review

コンテンツ番号:
R-220035
発刊日:
2020年3月1日

システム・ライフサイクルを見据えた移行と再構築

開発言語/フレームワークやミドルウェアへの関心が低い国内企業

著者名:
甲元 宏明
システム・ライフサイクルを見据えた移行と再構築のロゴ画像

戦略的かつ計画的なクラウド移行よりも、サポート切れへの対症療法として移行を実施する企業が多い。計画性のないクラウド移行は、投資に見合うだけのビジネス成果を得られないだけでなく、システムのサイロ化を招く可能性が高い。企業は全てのシステムの棚卸しを行い、システム・ライフサイクルに影響を及ぼす項目を調査し、今後のシステム再構築やクラウド移行戦略を立案すべきである。

クラウド移行計画に重要なシステム・ライフサイクル

企業におけるクラウド活用が盛んである。ITRが2019年8月から9月にかけて実施した「IT投資動向調査2020」の結果を見ると、「基幹系システムのクラウド化の実践」が「全社的なデジタルビジネス戦略の策定」に次いで重要な2020年度のテーマとしてあげられ、2割の企業が調査時点ですでに実施しているとした。国内では、新規システム用インフラの最優先候補としてクラウドを位置づける企業が多くなっているとともに、既存システムをIaaSに移行したり(リフト)、PaaS(Platform as a Service)やFaaS(Function as a Service)で再構築(シフト)する企業も増えている。

どのような規模や種類のシステムであっても、このリフト/シフトを行うには、システム構造や外部連携といった技術視点での分析や、要件の棚卸し、運用内容の確認といったビジネス視点での分析が必要であり、事前準備に十分な期間が必要となる。しかし、自社が利用しているシステムの内容を十分に把握していたり、独自開発システムの最新状況を常に管理している企業は多くない。

既存システムのリフト/シフトのタイミングは、既存システムのライフサイクルに強く依存するにもかかわらず、システムのサポート切れが目前に迫って初めてクラウド移行検討を開始し、対症療法的にIaaSに移行するという企業が少なくない。常態的にシステムの棚卸しを行っていないため、戦略的に十分余裕を持ってクラウド移行を実践できない。その結果、クラウド移行で成果を十分にあげている企業が少ないといえよう。

図1.主要なIT動向の重要度指数および現在の実施率と実施率予想

図1.主要なIT動向の重要度指数および現在の実施率と実施率予想
出典:ITR「IT投資動向調査2020」

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