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ITR Review

コンテンツ番号:
R-220023
発刊日:
2020年2月1日

AI/機械学習により進化するRDBMS

運用自動化に伴い変化するDBAの役割

著者名:
平井 明夫
AI/機械学習により進化するRDBMSのロゴ画像

最近発表されたRDBMSの新機能にはAI/機械学習に関するものが多く見られた。なかでもAI/機械学習を用いた運用の自動化と、データベース内部での機械学習モデルの実行の2つは、DBA(データベース管理者)の今後の役割に大きな影響を与えると思われる。本稿では、これらの新機能の概要について解説するとともに、運用の自動化により従来のデータベース管理業務が縮小するなかで、今後DBAが担うべき役割について述べる。

AI/機械学習を用いた運用の自動化

一般的なデータベース運用管理業務においてDBAが行うタスクは数多く存在し、そのなかでも特にDBAにとって負担が大きいと考えられるのは、(1)障害対応とリカバリ、(2)パフォーマンス・チューニング、(3)セキュリティ対策である。これらの3つのタスクは、DBAに対して高いスキルと大きな作業負荷を要求し、IT部門が受け持つさまざまなシステム管理業務のなかでも特に難易度の高い分野とされている。

このようなデータベース運用管理業務の負荷を軽減するために、これまでデータベース製品が持つジョブ・スケジューラの活用や、マネージドサービスの利用といった取り組みがされてきた。しかし、これらの取り組みは、データベース運用管理業務の負荷を軽減する一定の効果は認められるものの、根本的な解決策にはならなかった。

こうしたなか、最近行われたRDBMSの機能強化で注目されるのが、AI/機械学習を用いた運用の自動化である。これによって、従来データべース製品が提供していた機能よりもはるかに高いレベルの自動化を可能にしている。

図1に、前述したデータベース管理での負荷の高い3つのタスクを対象に、AI/機械学習を用いた運用の自動化が行われているデータベース製品のひとつであるOracle社のOracle Autonomous Database Cloudが備えるデータベース管理タスクの自動化レベルをまとめた。

AI/機械学習を用いた運用の自動化は、これまでのデータベース製品の機能に比べてはるかに高いレベルでの自動化が可能であり、特にインフラ・レベルの障害対応とリカバリや最新パッチの適用といった、比較的難易度は低いが時間的、体力的な負担の大きいタスクに対して有効といえる。このようなタスクは、現在、主に初級DBAと中級DBAの一部が中心となって対応しているが、AI/機械学習を用いた運用の自動化によりDBAの作業負荷が大幅に軽減することが期待できる。

図1.AI/機械学習を用いた運用の自動化レベル:Oracle Autonomous Database Cloudの例

図1.AI/機械学習を用いた運用の自動化レベル:Oracle Autonomous Database Cloudの例
出典:Oracle社からの提供情報を基にITRが作成

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