システム連携には、ファイル転送、メッセージ転送、データベース連携、API連携などの多種多様な手法があるが、HTTPプロトコルに準拠したREST APIを使った連携がデファクトスタンダードになったといえる。今後企業が新規システムを導入したり、IT基盤を構築したりする際は、システム連携仕様はREST APIを最優先に検討すべきである。
API連携の重要性
システム連携の手法には、ファイル転送、メッセージ転送、データベース連携、API連携などがある。APIは「Application Programming Interface」の略語であり、ソフトウェアがもつ機能やデータを外部から呼び出すための手順/規約を指す。これらのシステム連携手法には図1に示すようにそれぞれ一長一短がある。
出典:ITR
システムライフサイクルがますます短くなり、システム機能の新規追加や変更の頻度が高い現代にあっては、図1の比較項目の中で「連携仕様変更に伴う連携先への影響」が最も重要なポイントとなる。従来の企業システムは、システム機能の追加や変更を行う際は連携先のシステムも修正を行う必要があった。具体的には、事前に連携元および連携先のシステム構造を調査/分析し、既存のシステム連携の機能に影響がないか確認し、事前テストを行う必要があった。このため、機能追加や変更を迅速に実施することが困難で、またそれに伴うコストも大きくなることが一般的であった。このような背景から、システムに対するビジネス側の要求にタイムリーに応えることができなかった。しかし、API連携においては、連携元のシステムは連携先システムのデータ構造やデータベース構造を知る必要はなく、APIの仕様を変えないのであれば、連携先にはまったく影響を及ぼさないという利点がある。