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ITR Review

コンテンツ番号:
R-219014
発刊日:
2019年1月1日

デジタル化時代のバリューチェーン再考

「ハード」と「ソフト」が融合するビジネス/システム

著者名:
浅利 浩一
デジタル化時代のバリューチェーン再考のロゴ画像

あらゆる産業で、デジタルトランスフォーメーションに向けた取り組みが進められている。新たなデジタル社会に適応するビジネスとシステムの検討を進めていくためには、デジタルバリューチェーン上での変遷を見据えていくことが有効である。

デジタル化社会に対する日本の産業の状況

第4次産業革命に対する企業の認識と危機感は、2018年に急速に深まりと広がりを見せたのではないだろうか。ここ1年で、金融・保険業、流通・卸売業、サービス業などをはじめとした各業界では、これまでのビジネスモデルや前提となった経営環境が急激に変容し、従来の勝ちパターンが通用しなくなるといった危機感が非常に強くなってきている。例えば、金融・保険業はこれまで基本的に保守的な、言い換えれば国家の金融・経済政策に準じたスケールメリットを追求するビジネスをしてきた。しかし、先進国における世界的なマイナス金利傾向や、FinTechに代表される技術革新などにより、従来の枠組みではこれまでの収益や雇用を維持することが難しくなってきており、デジタル化に向けたあらゆる施策を試行錯誤し始めている。

また、流通・卸売業やサービス業では、Amazon.com社、Airbnb社といった代表的なデジタルディスラプターやプラットフォーマーに対する生き残りをかけたデジタルトランスフォーメーションが急務となっている。製造業でも、2018年度中間決算で売上高が14兆円、最終利益が1兆円を超える国内最大企業のトヨタ自動車は、新たなモビリティ社会においては自動車というハードウェアを製造するサプライヤーの1社に過ぎない存在となる、という危機感が非常に強い。新たなモビリティ社会は、ハードウェアとしての自動車から、自動運転や都市交通などの制御システムやビークルインフォテイメントシステムのソフトウェアやサービスにビジネスの主導権が移っていくデジタル化社会だからである。

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