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ITR Review

コンテンツ番号:
R-217104
発刊日:
2017年10月1日

プロジェクト型ERP構築の留意点

製品/サービスの選択肢と要件の見極め

著者名:
浅利 浩一
プロジェクト型ERP構築の留意点のロゴ画像

工程や進捗を管理するプロジェクト管理ツールが広く認知されてきた一方、プロジェクト型ERPへの理解は十分であるとはいえない。プロジェクト型ERPは、ライフサイクルの収益を財務会計の実績データと一体で管理できる製品である。この分野を導入あるいは独自開発などで実装する企業は、システム刷新や強化を検討する際の参考とされたい。

プロジェクト管理ツールの歴史とERPパッケージの接点

プロジェクト型ERPとは、Microsoft ProjectやオープンソースのRedmineといったプロジェクト管理ツールとどのような点が異なるのだろうか。歴史を辿ってみると、Henry L. Gantt氏がガントチャートを考案し、生産業務のタスクを時間軸に沿って表示できるようにしたのは1917年であった。その後、1950年代後半には、CPM(Critical Path Method)およびPERT(Program Evaluation and Review Technique)が盛んに使われるようになった。これを受けて、1970年代には、メインフレームで稼働する最初のプロジェクト管理ツールが登場したが、一般的に普及するようになるのは、スタンドアロンPCで利用された時代を経て、1990年代からのオープンシステム化、C/S化以降のことであった。

この段階までのプロジェクト管理ツールは、基本的に工程管理ツールまたは進捗管理ツールといえるだろう。スケジュールや工程をWBS(Work Breakdown Structure)で詳細化しつつ、プロジェクトの進捗や負荷状況を管理することが目的であった。これに対して、2000年以降登場したPPM(Project Portfolio Management)ツールは、従来のプロジェクト管理ツールを拡張し、要員や工数の人的リソース、外注や調達による物的リソース、そして人的リソース・物的リソースに関わるコストの予算対実績などをポートフォリオで管理する製品として登場し、現在に至っている。そして、PPMツールと同じ頃に普及していったのがERPパッケージであり、コストの予算対実績を管理する目的では重なる部分があった。

ERPパッケージは、プロジェクト管理ツールが辿った進化とは逆方向、すなわち、工程管理からではなくコストの予実績管理の機能から提供を始めたツールともいえるだろう。

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