しかしながら、このような成功企業はほんの一握りといってよい。サービスビジネスの推進においては、これまでと根本的に違う考え方が求められるため、失敗例も数多い。モノ売りのビジネスを考えてみよう。産業機器であれ、ソフトウェア製品であれ、これまで顧客に製品を販売することで対価を得ていたビジネスの名称を、”As a Service”に変更すればうまくいくというものでは決してない。モノ売りビジネスとサービスビジネスでは、とるべきビジネスの手法やアプローチはまったく別物であることを認識する必要がある。マーケティング手法、収益認識の基準、顧客との関係性、管理すべきプロセスなどだけではなく、それらを支える計画化やマネジメントのためのシステムも異なる。サービスビジネスの成長を見込むうえでは、モノづくりの成功体験を捨てて、価値づくりに焦点を当てるべくマインドシフトを行うことを前提に置かなければならない。