グループウェア/コラボレーション基盤製品として、日本国内で根強いシェアをもつIBM社のNotes/Dominoであるが、その処遇に頭を悩ませるユーザー企業は依然として少なくない。継続利用するにせよ、他製品に乗り換えるにせよ、ユーザー企業は中長期的な視野から方向性を定める時期に差し掛かっている。
減少するNotes/Dominoのシェア
ここにきて、IBM社のコラボレーション基盤「Notes/Domino」のリプレースに関する問い合わせが再び増加している。「Notes移行」はこれまでも繰り返し話題となってきたテーマであるが、2020年という節目に向けてITインフラ刷新を計画する企業が多いこと、開発元のIBM社が近年Notesについて目立ったアップデートをしてこなかったことなどにより、古参のユーザーの中にも移行を本格的に検討するところが出てきたと見られる。
そこで、まずは現状を把握するために、Notes/Dominoの利用率の推移について見てみることにしよう。ITRが2017年2月に、国内の大企業(従業員1,000人以上)400社強を対象に実施したアンケート調査によれば、メインのコラボレーション基盤としてIBM社のNotes/Dominoを現在利用しているとした企業は15%。単独製品としては依然として一定のシェアを獲得している。ただし、「1つ前に利用していた」とする19%からは減少しており、他製品にシェアを奪われていることが確認できる。また、「次期システムとして最有力候補」とする割合は1桁台にとどまり、今後も利用率の低下が続くと予想される(図1)。
一方で、進境著しいのがMicrosoft社であり、Exchange/SharePointは、オンプレミス版、クラウド版を併せて現在メインで利用している割合が約40%に上り、最大の勢力となっている。ちなみに、Notesから他製品への移行を実施した企業のうち、半数以上(53%)は、Microsoft製品を選択しており、Notes移行の進展がMicrosoft製品のシェア拡大に大きく寄与していることがわかる。
出典:ITR(2017年2月調査)