ITRでは、国内ERP市場の調査を毎年行っており、最新版である「ITR Market View:ERP市場2017」の調査を進めている。本稿では、ERPおよび関連する市場についての最新動向を、注目すべき製品/サービスの特徴を踏まえて速報する。
ERPおよび関連市場の調査状況
ITRでは、2016年末から、「ITR Market View:ERP市場2017」の調査を進めてきており、2017年3月の発刊を予定している。まだ、調査の過程であり、売上実績や成長性などの確定値を述べることはできないが、調査の過程を通じて得られた最新の動向をいち早くフィードバックしたい。なお、今回の調査では、ERP市場だけでなく、ERPに関連するカネとヒトの管理に関わる、以下の3市場でレポートの発刊を予定している(図1)。
出典:ITR
従来は、ERP、連結会計、経費精算の3市場を1つのレポートにまとめていたが、後述する調査内容の拡充や、新たに予算管理市場を調査対象に加えたことなどから、ERP市場と予算・経費・就業管理市場の2つに分冊することとした。予算管理に特化した調査は近年市場におけるベンダー/製品の状況に大きな変化が見られなかったため2007年度以降実施していなかったので、同市場の変化が注目される。また、人事・人材管理市場も、2013年度以降調査を見送っていたため、ERP市場の人事・給与分野として人事と給与を合算した市場規模しか把握できなかった。「ITR Market View:人事・人材管理市場2017」では、人事、給与単独の市場規模/シェアなどが確認できる。さらに、タレントマネジメント分野については、人材管理に加えて採用管理も独立した市場として調査する予定である。