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ITR Review

コンテンツ番号:
R-217025
発刊日:
2017年2月1日

エモーションドリブン・マーケティングとは

IoTおよびAIを活用したマーケティングへの取り組み

著者名:
三浦 竜樹
エモーションドリブン・マーケティングとはのロゴ画像

デジタルマーケティングの取り組みにおいて、IoTなどを活用するイベント(行動)ドリブン型システムの重要性が高まっている。そして、IT部門のデジタルマーケティング領域への貢献が期待される現在、AI(人工知能)やディープラーニングの仕組みを取り入れ、エモーション(感情)ドリブン型へと進化するマーケティングシステムへの理解を深めることが推奨される。

デジタルマーケティングとIoT

IoT(Internet of Things)の台頭により、多様なデバイスがインターネットに接続されることで、これまで把握することが難しかったさまざまな情報をデジタルデータとして収集・活用することの重要性が増している。多くの企業は、さまざまなデバイスから出力される膨大なデータをマーケティングに活用するうえで、デジタルマーケティングへの取り組みが課題となっている。デジタルマーケティングとは、広義にはデジタルメディアを使った、製品やサービスあるいはブランドのプロモーションに代表されるマーケティング活動全般を指す。ITRではより高度なマーケティング手法に範囲を絞り、「デジタル化されたプロセスとデータを活用し、実証に基づいた判断を行うことによって、マーケティング施策全体を最適化する仕組みや方法」と定義している。

具体的なデジタルマーケティングの範囲としては、WebサイトやEメール(メールマガジン)配信、ソーシャルメディアといったサービスを活用したWebマーケティングと呼ばれるものとなる。近年では、Webのアクセス履歴やスマートフォンなどのGPSから発信される位置情報などのデータを基に、顧客の好みや行動を把握・分析する解析ツール・サービスの活用が、デジタルマーケティングの主軸になってきている。また、分析結果を基に、最適な広告/コンテンツ配信をシステムで自動的に選定・管理するMA(マーケティング・オートメーション)への注目も高い。さらに、これらの膨大なデータの分析結果から洞察を得るにあたり、AI(人工知能)を活用する動きも活発化し始めている。

IoTの台頭により、デジタルマーケティングに必要なシステムとして、イベント(行動)ドリブン型システムが注目されている。これは、イベントによりDriven(Drive:走る/駆動するの過去分詞)、すなわち駆動されるプログラム/システムを意味する。具体的には、ユーザーによる操作や他のプログラムが実行した結果(イベント)を起点として、それに対応するプログラムが動くシステムを指す。例えば、Google検索でキーボードから特定の文字を入力する(イベント)と、システムが入力しようとしている言葉を予測して候補を表示するなどがあげられる。

イベントドリブン型システムの注目が高まっているのは、IoTデバイスが出力するデータが起点となるイベントが急速に増えているためである。スマートフォンなどのGPSから発信される位置情報を利用して、店舗から一定の距離内に侵入すると、その店舗からセール情報やお薦め商品をプッシュ通知するO2O(Online to Offline)の取り組みは有名である。この他、Apple WatchやGoogle Glassといったウェアラブルデバイスが扱う生体情報をイベントとして扱うプログラムも急速に増えてくることが予想される。例えば、運転中に体調が悪くなるとデバイスが異変を検知し、車が自動で路肩に止まったり、自動的に駐車したりするシステムを自動車部品大手のアイシン精機が開発中である。

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