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ITR Review

コンテンツ番号:
R-216014
発刊日:
2016年1月1日

コグニティブ・コンピューティング最新動向

第三世代のコンピューティングシステム時代の到来

著者名:
三浦 竜樹
コグニティブ・コンピューティング最新動向のロゴ画像

IBM社は、データ分析から得られるインサイト(洞察)に焦点を当てたイベント「IBM Insight 2015」において、IBM Watsonを中心とした同社のコグニティブ・コンピューティングのプラットフォームに関連する多くの発表を行った。本稿では、同イベントの公開情報を基に同社のコグニティブ・コンピューティング事業の最新動向について述べる。

IBM Watsonを活用した洞察が焦点

IBM社は2015年10月25日から29日までの5日間、米国ネバダ州ラスベガスでデータ分析から得られるインサイト(洞察)に焦点を当てたイベント「IBM Insight 2015」を開催した。同イベントはこれまで「Information On Demand」の名称で開催されていたイベントであり、さまざまなデータを蓄積してきたビッグデータ時代から、データを分析し、洞察を得ることが必須の時代になってきていることを踏まえて、2014年より名称が変更された。今回は、日本からの参加者約200人を含め、世界各国から約1万5,000人のユーザー企業やパートナー企業が参加し、200を超えるセッションが開催された。本稿では本イベントで公開された情報を基に、IBM社のコグニティブ・コンピューティング事業の最新動向を紹介する。

セッションは分析、ビッグデータ、クラウド、データセキュリティ、ECM(エンタープライズ・コンテンツ管理)、情報統合/ガバナンス、IoT、モバイルといった主要テーマに割り振られているが、そのほとんどのテーマは、データ統合・分析により得られた洞察でビジネスを成功させるという、メインテーマである「Lead in the Insight Economy」に結びつくものであった。イベントでは、主に以下の製品/サービスおよび技術に関するセッションに注目が集まっていた。

  • Apache Spark:同社の「IBM BigInsights」や「IBM Streams」「IBM SPSS」などのデータ分析基盤製品を、オープンソースの大規模分散処理基盤「Apache Spark」をベースに再設計。また、クラウド版となる「Spark as a Service」を「IBM Bluemix」上で提供する。
  • IBM Datacap Insight Edition:IBM Watsonが備える画像処理、自然言語処理、機械学習など、コグニティブ・コンピューティング機能が組み込まれたデータキャプチャ・ソリューション。
  • IBM Insight Cloud Services:オープンデータや気象情報(WeatherCompany社)、ソーシャルデータ(Twitter社)、組織が保有するデータなどから得られるリアルタイムの非構造化データを組み合わせたうえで、自動的にノイズを取り除いて提供するサービス。
  • IBM Cognos Analytics:セルフサービス(自身で設計すること)を原則とするBIソリューション。ビジネスユーザーやIT担当者が自ら分析レポートを作成・配信できるようUX(ユーザー・エクスペリエンス)を再設計し、クラウド版も提供する。
  • Watson Analytics:分析の専門知識がないビジネスユーザーでも自然言語と視覚化による分析および対話インタフェースを利用し、高度な予測分析結果が自動的に得られるクラウドサービス。

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