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ITR Review

コンテンツ番号:
R-215084
発刊日:
2015年8月1日

IoTが牽引する産業プラットフォーム

デジタライゼーションを加速する先進ソリューション

著者名:
金谷 敏尊
IoTが牽引する産業プラットフォームのロゴ画像

業界のリーダー企業や専門特化したベンチャーによるIoT/M2Mへの取り組みが、事業や業種の垣根を越えて多くの企業に影響を及ぼしつつある。本稿ではグローバル市場での注目すべき先進ソリューションを紹介し、デジタライゼーションの推進に向けたヒントを提示する。

IoTソリューションの現状

現在、IoTが企業のデジタライゼーションを加速させる重要な概念であることは論を俟たない。その活用機会は、これまで親和性が高いとされてきた製造業、運輸業、エネルギー・公共分野だけでなく、医療・ヘルスケア、流通・小売業、農業、保険業などにも広がりつつある。IoTは、デバイス/センサー、コネクティビティ、アナリティクス、アプリケーションなど幅広い分野で先進的な要素技術が用いられる。また、モノとヒトだけでなく、モノとモノのインターネット化も進むため、M2Mに関わる技術も重要となる。つまり、IoTは、ITベンダー、機器メーカーといった供給者側にとって非常に魅力的な市場であり、各社がソリューションの開発を急ぐ状況にある。

一方、ユーザー企業において、IoTの価値とは何だろうか。設備保全や物流管理に適用すれば、資産効率の向上や業務効率の改善がもたらされる。また、それだけではなく、IoTで収集したデータを利用すれば、アプリ/サービス構築を通じて、新規ビジネスを開発することも可能となる(気象データの定点観測に基づく農業向け保険サービスなど)。このように企業にとってIoTは、既存/新規のビジネスを支える「道具」としての価値を持っている。

さて、この道具をいかに構築するかが課題である。IoTソリューションのあり方は、企業の業種、業態、業務により千差万別である。また、上述のように、ソリューションを構成するには極めて多様な要素技術を積み上げる必要があり、各技術の標準化も現在進行中のものが多い。こうしたなか、エンタープライズ系の大手ITベンダーによる提供ソリューションやマーケティング・メッセージは、その多くが汎用品を狙ったものであり、市場も黎明期であるがゆえに、必ずしも期待に沿うレベルに達しているといえない。一方、需要サイドであるユーザー企業や専門の新興企業が構想化・体系化したソリューションは、実ビジネスに直結しており注目に値する。特に、一部の海外企業では、デジタライゼーションへのコミットメントが強く、IoT活用やソリューション構築についても市場をリードしている。そこで、ここではユーザー企業に端を発するソリューションの例を中心に見てみよう。IoTプラットフォームとしてGE社、IoT/M2Mのクラウドサービスとして、Cumulocity社およびAxeda Corporation社(現PTC社)を取り上げることとする。

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