このように硬直化しているように見えるメールシステムを巡って、2014年後半から2015初頭にかけて意欲的なサービスが相次いで登場した。主役となっているのは、コラボレーション・ツールの提供で実績あるGoogle、Microsoft、IBMの大手ベンダー3社である。まず先陣を切ったのは、既存のGmailを拡張するモバイル・アプリ「Inbox by Gmail」を2014年10月にリリースしたGoogle社である。続いて、Microsoft社が同年12月にモバイル向けのメール・アプリを提供するAcompli社を2億ドルで買収、それから2ヵ月にも満たない2015年2月には、その機能を吸収したモバイル版「Outlook」の提供を開始した。IBM社も、2014年11月に法人向けに特化したメールサービス「IBM Verse」を発表し、2015年3月末にサービスをスタートさせた(図1)。