リーマンショック以降低迷を続けていた日本経済は、2013年より回復し始めている。規模や業種によって異なるものの全体として企業業績を好調と捉え、ソフトウェア投資に積極的な姿勢が見られる。そのような中、2009年度の調査以降下落を続け、2012年度で下げ止まった感があるSE単価について、日銀統計データや本年度のITR調査を基にどう変化していくのかを考察する。
回復傾向を示す業況判断
2012年12月の第二次安倍政権発足後、「アベノミクス」効果により日本経済は回復基調であることは、日本銀行が2014年7月1日に発表した2014年6月短観(第161回 全国企業短期経済観測調査)の業況判断DI(「良い」-「悪い」の社数構成比)から見てとれる(図1)。2013年12月から2014年3月までの実績は全規模、全産業がプラスで、前回調査の実績を上回った。2014年6月実績は、消費税増税による影響などで前回調査より4~7ポイント下落したものの全規模、全産業でプラスの値を維持する結果となった。また、2014年9月の予測は、一部でポイントが2014年6月実績を下回るものの、全体としてはプラスを維持している。
内閣府および財務省が2014年6月11日に発表した第41回法人企業景気予測調査結果(2014年4~6月現状、7~9月見通し、10~12月見通し)では、「貴社の景況判断BSI(「上昇」-「下降」の企業構成比)」が4~6月の現状では全規模、全業種でマイナスとなっているものの、7~9月見通しでは中小企業を除きプラスに転じており、10~12月見通しでは中小企業を含めてプラスとなっている。これらのことから消費税増税の影響は、4~6月期には需要減の影響があると考えているが、その影響は短期間で回復すると見ている企業が多いといえる。
出典:全国企業短期経済観測調査/日本銀行のデータを基にITRが作成