スマートデバイスの企業導入が一般化するなか、これをいかにビジネス貢献につなげるかが次の課題となっている。そのため2014年は「アプリケーション活用」が重要なキーワードのひとつにあげられると見られる。そこで注目されるのが、モバイル・アプリケーションの利用を活性化させる「MAM(Mobile Application Management)ツール」である。
モバイル環境で高まるアプリケーション指向
今でこそ、多くの消費者が手にし、ビジネスへの活用も当たり前のように検討されるようになったスマートデバイスだが、そのきっかけとなったのは、Apple社の「iPhone 3G」が国内で正式に発売された2008年7月以降のことである。それから5年あまりが経過した現在、企業の間でスマートデバイスの「アプリケーション活用」が改めて重要テーマのひとつとして浮上している。
そもそもスマートデバイスの特徴は、アプリケーションによって柔軟に機能を拡張できることにあるが、企業の現場では、その特徴が必ずしも十分には活かされてこなかった。これは、スマートフォンであれば旧世代の携帯電話専用端末(フィーチャーフォン)の、タブレットであればPCの、それぞれ代替機(あるいは次世代機)として認知されるケースが多かったということもあるが、端末そのものの安全性確保や管理プロセスが成熟していなかったという事情もあると推察される。
しかしながら、2013年に入ってから、スマートデバイスならではの価値をもう一段階高い次元で獲得しようという動きは明らかに加速している。昨今、スマートフォンよりもむしろ、大画面を備えるタブレット端末に対する企業の期待が高まっていることも、そうした現象を示すひとつの例である。
事実、タブレットを導入する企業では、文書やプレゼンファイル、カタログファイルの閲覧や利用にとどまらないアプリケーション活用が本格化している。ITRが2013年6月、タブレット導入企業300社を対象に利用している業務アプリケーションを問うたところ、かなりの割合の企業において、幅広い種類が利用されているとの結果が示された(図1)。
出典:ITR(2013年6月調査)