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ITR Review

コンテンツ番号:
R-213114
発刊日:
2013年11月1日

具現化し始めたVMware社のSDDC戦略

ITインフラ全体への影響力拡大を目指して

著者名:
生熊 清司
具現化し始めたVMware社のSDDC戦略のロゴ画像

VMware社は、2013年8月25日から29日に開催した同社の年次カンファレンス「VMworld 2013」において、ネットワーク仮想化製品やストレージ仮想化製品を新たに発表した。これは、昨年の「VMworld 2012」で発表したITインフラ全体を仮想化するSDDC(Software Defined DataCenter)という戦略を具現化したものとなる。同社は、製品領域をデータセンターの構成要素全体に拡大することで、市場に対する影響力の拡大を図ろうとしている。

SDDCの具現化を着実に進めるVMware社

VMworld 2013は、米国カリフォルニア州サンフランシスコで開催され、来場者は2万3,000人となった。2004年に1,600人の参加者で始まった同カンファレンスはこの10年間、回を増すごとに来場者数を拡大している。2012年9月にPat Gelsinger氏がVMware社のCEOに就任し、同社はサーバだけでなく、ネットワークやストレージも含めたITインフラ全体を仮想化し、統合的に管理するというSDDC(Software Defined Datacenter)という戦略を発表したが、戦略を具現化するべく、製品構成に対する選択と集中を図っている。具体的には、ITインフラの仮想化とクラウド環境基盤構築に製品を集約し、それ以外を整理した。整理したのは、分散DBキャッシュのGemFir、Java開発フレームワークのSpring Framework、PaaS環境のCloudFoundryなどの主にvFabric製品群で、これらの製品は、2013年4月にEMC社、GE社とともに設立したPivotal社に移管した。また、Yahoo!社から購入したグループウェア製品であるZimbraは2013年7月にTelligent社に売却している。

そして、VMware社が今回新たに発表した製品には、ネットワーク仮想化のためのVMware NSXとストレージ仮想化のためのVMware Virtual SAN、そしてVMwareユーザーが自社構築した環境をそのまま移行可能なパブリッククラウド環境であるVMware vCloud Hybrid Servicesが含まれている。SDDCという戦略は発表してから、1年間で製品構成を再整理し、足りない部分に対して新製品を適切に用意していることから、同社がSDDCに対して本気で取り組んでいること、Pat Gelsinger氏へのCEO交代が順調に推移していることが読みとれる。

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