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ITR Review

コンテンツ番号:
R-213013
発刊日:
2013年1月1日

エンドユーザーのITスキル向上策

広義のITリテラシ向上への取り組みとそのKPI

著者名:
内山 悟志
エンドユーザーのITスキル向上策のロゴ画像

今やパソコンやオフィス・ソフトウェアの操作スキルは、昔でいうところの「読み・書き・ソロバン」のように、持っていることが当たり前のビジネススキルと認識されるようになっている。そして、現在のビジネスにおいては、コンピュータの操作スキルを超えてさらに広範なITスキルがエンドユーザーに求められている。本稿では、広義のITリテラシ向上への取り組みと、その際に目標とすべきKPIを提示する。

ユーザーに求めるITスキルにおける変化

以前は、ITリテラシという概念は、パソコンや表計算ソフトなど操作スキル(コンピュータ・リテラシ)を指す狭義の捉え方が一般的であった。これは、多くの従業員がパソコンやソフトウェアに不慣れであり、これらの操作方法の習得に一定の研修や教育が求められたためである。しかし、今や学校教育にもパソコンが採り入れられており、若年層を中心にデジタル・ネイティブな従業員の割合が高まっている。昨今では、新入社員教育の際に、自社独自の業務アプリケーション、自社で利用する特定のグループウェアやイントラネットの研修、情報セキュリティやネットマナーなどに関わる啓発的教育は行うが、ワープロ、表計算、ブラウザなどの一般的なコンピュータ研修は行わないという企業が増えている。新人だけでなく、一般社員に対するIT研修についても同様の傾向となっており、いわば狭義のコンピュータ・リテラシは昔でいう「読み・書き・ソロバン」と同様に、持っていることが当たり前のビジネススキルと認識されるようになっている。ITリテラシが狭義に捉えられていた時代には、人事部門とIT部門が協力して、リテラシ向上の取り組みとしてパソコン研修や、Word、Excelなどオフィス・ソフトウェアの研修を行うなど、ITリテラシの向上はIT部門の任務のひとつであった。

しかし、狭義のITリテラシ、すなわちコンピュータ・リテラシが当たり前のスキルとなり、業務やビジネスの遂行においてITが不可欠な存在となるにつれ、より幅広く、高度な意味でITリテラシを捉え直す必要性が高まってきている。つまり、ただ単にコンピュータ操作ができるだけでなく、ITを活用して業務やビジネスに役立たせること、ITの利活用に対してユーザーとして正しい認識と能動的な関わりを持つこと、そして、自らの業務を改善・改革する際に情報システムに対してどのような要求を持つかを正しく表現できることなどが求められるようになってきている。

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