人材管理のIT化はどこまで進んでいるのか
人材管理の高度化に向けて人材管理システムをどう活用すべきか
人材管理システムの位置づけをどう捉えるべきか
企業変革を行うには人材の適切な配置が重要である。これには、人材スキルの正確な把握が前提となるが、その基盤となる人材管理システムの導入はどこまで進んでいるだろうか。本稿では、ITRが実施した人材管理分野のIT活用に関する調査結果から、現状を分析するとともに今後の方向性について考察する。
構成
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人材管理のIT化の現状
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人材管理の高度化に向けた活用方法
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人材管理システムの位置づけ
- 結論
1人材管理システムの導入状況
出典:ITR 『人材管理(タレントマネジメント)のIT化動向調査』(2021年5月調査)
ITRは、国内企業における人材管理(タレントマネジメント)のIT化動向を明らかにする目的で、2021年5月に、企業で人材管理の企画・運営に関与している者に対して調査を行った。
まずは、調査結果から人材管理システムの導入状況を見てみよう。5つの選択肢から得た回答の全体結果、および企業規模(従業員数)別に3つの区分に分類して集計した結果がこの図である。
全体の結果では、3割以上(32%)の企業がすでに導入済みであり、導入が決定している企業(9%)を加えると、4割となった。さらに、導入を検討中の企業が31%を占めることから、今後も導入が進むと考えられる。企業規模別に見ると、従業員数の多い企業ほど導入が進んでいる傾向が顕著である。従業員数3,000人以上の企業では、半数近く(47%)の企業が導入済みであり、導入が決定している企業(12%)を加えると、約6割に上る。3,000人未満の区分は2つとも、導入済みと導入が決定している企業の割合は小さいが、導入を検討中の企業が3割を超えており、今後、従業員数の少ない企業においても徐々に導入が進むと思われる。