カスタマージャーニーにおけるカスタマーサクセスの位置づけとその役割とは
企業はどのようにカスタマーサクセスを進めていくべきか
カスタマーサクセスを取り巻く環境とは
デジタルマーケティングに注力する企業が増えている中、カスタマージャーニーの最終フェーズに位置する顧客のロイヤルカスタマー化に高い関心が寄せられている。本稿では、顧客のロイヤルカスタマーを支援するカスタマーサクセスの概要とその遂行に向けたアプローチについて考察する。
構成
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カスタマーサクセスの概要
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カスタマーサクセスの遂行に向けて
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カスタマーサクセスを取り巻く環境
- 結論
カスタマーサクセスとは
さまざまな商品やサービスがサブスクリプション型のサービスへとシフトする中、従来のカスタマーサポートの範疇を超えた「カスタマーサクセス」への注目が高まっている。カスタマーサクセスとはその名の通り「顧客の成功を重視する」という考え方であり、顧客の心理ロイヤルティを生み出し、それを高めることが目的である。
具体的には、顧客が自社商品・サービスの価値を最大限に引き出せるように、さまざまな施策を遂行することが求められる。その施策遂行による評価の基準となるのは、顧客の商品・サービスの利用継続、すなわち解約の防止と、後述するLTV(顧客生涯価値)の最大化である。
カスタマーサクセスは、これらを実現していくための人材や組織を指すことも少なくない。近年では、カスタマーサクセスにかかわる人材・組織が効率的に業務を遂行するうえで利用するシステムやサービスも登場してきている。
カスタマーサクセスは、国内では2019年に入って注目が高まり、Googleトレンドの関連キーワードには、「カスタマーサクセスとは」や、その代表的な導入事例として「セールスフォース・ドットコム」などが上位に連なっている。SaaSベンダーを筆頭としたデジタルコンテンツの提供事業者が多く、なかでもSalesforce.com社はその先駆けであり、自ら関連サービスを提供していることも上位にあがっている理由といえよう。
一方、米国においては、給与や役職、大手求人サイトなどが関連キーワードに連なっており、組織の立ち上げや拡充フェーズでの導入である傾向が見られる。