なぜ、InsureTechが台頭しているのか
のようなInsureTechのサービスがあるのか
今後、InsureTechはどのように展開されるのか
デジタルビジネス創出への取り組みが盛んな金融業界の中でも、保険の領域ではInsurance(保険)とTechnology(テクノロジ)を掛け合わせたInsureTech(インシュアテック)が台頭している。本稿では、デジタルビジネスの好例といえるInsureTechの動向を紹介するとともに、今後の展望についてまとめる。
構成
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InsureTechの背景
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InsureTechの動向
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InsureTechの将来展望
- 結論
InsureTechの定義
AI、IoT、ビッグデータなどのデジタル技術を活用したビジネス変革や新規ビジネスの創出が期待されている。この潮流の中で、デジタル化の重点領域や施策とすべきテーマは業種によって異なるため、テクノロジを起点とした発想だけでなく、業種ごとの事業課題に基づくアプローチを推し進める動きがある。なかでも、金融業においては、2015年頃からFinTechが台頭し始め、2017年には多彩な金融サービスが見られるようになった(ITR Insight 2017年夏号「金融サービスに見るデジタル化へのアプローチ」#I-317073)。そして、2018年時点において、このアプロ―チを積極的に推進している業種のひとつに保険業がある。国内では、保健事業は生命保険、損害保険、医療保険の3つの分野に分類され、それぞれに、死亡、災害・事故、傷害・病気・介護などのリスクを移転する事業が定義されている。昨今では、これらの保険事業において、AI、IoT、ブロックチェーン、ビッグデータ分析などのデジタル技術を活用したInsureTechが大勢となり始めてきており、変化が訪れている。
InsureTechとはInsurance(保険)とTechnologyをかけあわせた造語である。ITRでは、InsureTechを次の3つのタイプに分類して定義している。
①保険会社がデジタル技術を駆使して、従来の保険業務の品質・効率を大幅に向上させる
②保険会社がデジタル技術を駆使して、これまでになかった新サービスを創出する
③保険会社以外の業態やベンチャー企業などが保険に関連するサービスに新規参入する
次頁から、InsureTechに関する動向や今後の展望を解説していく。