クラウドERPの市場動向はどのようなものか
クラウドERPで評価すべきポイントとは何か
クラウドERPの検討をどのように進めるべきか
国内ERP市場は、今後数年以内にクラウドがオンプレミスを逆転すると予測されている。企業は、クラウドERPを適切に評価しながら導入検討を進めることで、これまで達成できなかった産業・業種・業務横断的な課題を達成していくべきである。
構成
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クラウドERP市場動向
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クラウドERPで評価すべきポイント
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クラウドERP検討の進め方
- 結論
国内ERP市場のクラウド推移状況
出典:ITR「ITR Market View:ERP市場2018」
はじめに、エンタープライズシステムのクラウド化の状況について、最新の市場調査レポート「ITR Market View:ERP市場2018」から国内市場の状況を確認してみよう。2016年度までは実績値であるが、2017年度の数字は、調査時点で決算確定前のベンダーもあるため、正確には確度の高い見込み値となる。
ITRでは、「ITR Market View:ERP市場2017」からパッケージとSaaSの提供形態別に加えて、Amazon Web Services、Microsoft Azureといった主要IaaS上で稼働するシステムも企業の運用形態別として調査している。つまり、企業がベンダーからサブスクリプションで購入する「SaaS」と、購入したパッケージのライセンスのうち、IaaS上で運用する形態「パッケージ(IaaS)」、および自社で購入したハードウェア上で稼働させる「パッケージ(オンプレミス)の割合を、ラインセンスおよびサブスクリプションの新規売上金額ベースで確認できるようしている。
「SaaS」と「パッケージ(IaaS)」を合算すると、すでに2016年度で約30%がERPをクラウドで導入しており、2017年度には40%を超えるまでに拡大している。これに対して、オンプレミスの新規売上げは下がり続け、2018年度には半数を割ると予測している。現状では、今後オンプレミスの新規売上げが前年度を上回る要素が特に見当たらない。国内ERP市場の今後の主流は、クラウドであることは疑いがない。